石油給湯器の正しい選び方|給湯器交換の要点、重要事項を解説する

 

すずき設備社長の鈴木だ。

石油給湯器の正しい選び方を知っているユーザーは、意外と少ない。ガス給湯器と違って、色んな業者がしのぎを削っているわけでもないし、ユーザーに有益な情報が出回っているわけでもないからだ。

 

弊社では給湯器の交換業務、住宅のリフォーム事業などを手広く行っているが、今回は「石油給湯器の交換をする際に、後悔しないための重要ポイント」について紹介しよう。

石油給湯器の買い替えで失敗をしないための要点についてまとめたから、ぜひ最後まで読んで行って欲しい。

 

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石油給湯器の正しい選び方

 

石油給湯器の様々な種類、違いを把握する

石油給湯器と一口に言っても、そこには様々な種類が用意されている。

  • 直圧式、セミ貯湯式
  • 屋内設置型、屋外設置型
  • 据え置きタイプ(床置きタイプ)、壁掛けタイプ
  • 4万キロ、3万キロ
  • フルオート、オート、標準
  • 高効率型、従来型

 

大抵のユーザーは、せいぜい「燃焼能力やお湯張り機能をアップグレードする」とか、あるいは「従来型の給湯器をエコタイプの給湯器に変更する」という程度の選択肢しか持たない。

だが、実際には「屋内や屋外などの設置場所の変更」なんかも、立派な選択肢の1つだ。これを納得した上で選択しているかどうかは、割と重要な要素と言える。

 

以下では、それぞれのメリットやデメリットを含めた特徴について解説していこう。

 

直圧式、セミ貯湯式

  • 直圧式:水圧が強い、使い勝手が良い、本体価格が高い
  • セミ貯湯式:水圧が弱い、機器寿命が比較的長い、本体価格が安い

 

直圧式とセミ貯湯式の違いは、お湯の作り方だ。

直圧式の給湯器は、蛇口を開けた瞬間に水からお湯を作る。一方のセミ貯湯式は、常にお湯を作って貯めておき、必要に応じてそのお湯を蛇口に供給するという感じだな。

 

セミ貯湯式は、常に本体内にお湯を貯めておくという性質上、給水圧を減圧したうえで本体に取り込んでいる。そのため、最終的に供給される水圧も弱いのが特徴だ。

つまり、普段から直圧式に慣れているユーザーがセミ貯湯式を使うと、「なんか水圧弱くね?」と感じることになるだろう。

少しでも水圧の強いシャワーが浴びたいという場合は、直圧式を選ぶ方が無難だし、全国的なシェアも直圧式の方が高い。

 

 

屋内設置型、屋外設置型

給湯器には、家の中に設置するタイプと家の外に設置するタイプの2種類がある。

屋外にボイラー小屋があって、そこに屋内タイプの給湯器を設置しているという現場もあるが、屋外タイプの給湯器には煙突が不要になるのが大きなメリットだ。

 

そして、意外に思うかもしれないが「屋内設置の給湯器と、屋外設置の給湯器において、機器寿命の違いは明確なデータとして出ていない」のである。

つまり、多くのユーザーが考えてしまいそうな「屋外の給湯器の方が壊れやすいのでは?」という疑問は、要らぬ心配であると言えるだろう。

 

もし「外置きの方が壊れやすいと思ったから、狭いスペースながらも洗面所に設置したのに…」というユーザーであれば、屋外に移設することを検討してみるのもアリかもしれない。

現場状況によっては、移設するのに大規模な工事が必要になるかもしれないが、費用の面などを考慮して納得することが重要だ。最初から「今までと同じもの」と即決するのではなく、どっちが有意義になるかを検討することが大切だろう。

 

 

据え置きタイプ(床置きタイプ)、壁掛けタイプ

給湯器には床に置くタイプと、壁に掛けるタイプが存在する。

1番分かりやすい部分では「スペースの使いやすさ」に大きな違いがあり、壁掛けタイプなら洗面所にあっても、洗濯機と重なるようにして設置できるから、そこまで邪魔にならないケースが多い。

一方で、据え置きタイプとなると、どうしても場所を取ってしまうのがデメリットだ。

 

そして石油給湯器は、ガス給湯器と比べると全体的に燃焼音が大きい。

これは燃料が気体か液体かという部分が関係しているのだが、壁掛けタイプの石油給湯器では「燃料の灯油をガスにしてから燃焼する」という特徴があり、据え置きタイプと比べて燃焼音は遥かに小さくなっている。

もし家庭の事情で「夜遅くにお風呂に入る、シャワーを浴びることがある」という場合は、壁掛けタイプの方が燃焼音が小さいため、快適に感じる機会が多いのではないだろうか。

 

 

4万キロ、3万キロ

石油給湯器には2パターンの燃焼能力が設けられており、4万キロカロリーか3万キロカロリーかの2種類が用意されている。

メーカーの見解で言うと「2人以下なら3万キロでOK、それ以上の人数なら4万キロが望ましい」という案内をしているが、基本的には4万キロをおすすめしたい

 

理由としては、4万キロと3万キロで本体価格に大きな差が見られないことや、3万キロにこだわってしまうと、必然的に機種選択の幅が狭まってしまうからだ。

石油給湯器には様々な種類の機種が用意されているが、全ての機種で4万キロと3万キロが用意されているわけではなく、「この機能がある機種だと4万キロの機種しかない」ということが多いため、4万キロを前提に機種選定した方がいいだろう。

 

 

フルオート、オート、標準

  • フルオート:お湯張り、追い炊き、たし湯が全て自動
  • オート:お湯張り、追い炊き、たし湯が全てボタン1つ
  • 標準:お湯張り機能がなく、追いだき機能のみ

 

石油給湯器には「フルオート、オート、標準」という3タイプの機能がある。これらはお湯張りや追い炊きなどの「お風呂に関する機能」だ。

フルオートやオートなら、ボタンを押すだけで決まった量のお湯張りをしてくれるため、お風呂を沸かすという行為が非常に楽なものになるだろう。

 

一方で標準タイプの場合は、蛇口を開けて浴槽にお湯を落とし込み、ある程度の量になったら自分で蛇口を閉めなければ溢れてしまうリスクがある。

また、追い炊き配管に皮脂などが残りやすく、お湯張り機能がある機種と比較すると衛生面での不安も残りやすい。

 

フルオートとオートの違いは細かい部分になるが、基本的には「フルオートの方が本体価格が高い分、出来ることが多い」という解釈でOKだ。

詳しく知りたいという読者は、以下の記事を参考にして欲しい。

 

 

高効率型、従来型

石油給湯器の燃費の良い機種は「エコフィール」と呼ばれていて、年間で1万円弱の灯油代が節約できると言われている。

ただし、この文言にはからくりがあって、それなりに使用している家庭で、かつ灯油料金もそれなりに高い時期でないと、年間で1万円もの節約に対する現実味は薄いだろう。

 

そして従来型からエコタイプに変更する場合、工事の面で手間が増えたりする可能性があるし、エコタイプの給湯器にしか搭載されていない部品があって、それが故障した時のことを考えたりすると、エコフィールがお得になるとは言い難いのが現状だ。

 

それでもエコタイプの給湯器は環境にも優しいし、場合によっては業者が力を入れてキャンペーンをしている可能性もあるから、色んな面で比較してもらえればいいと思う。

少なくとも「燃費が良くなる」という美味い部分にだけ食い付くのではなく、「中和器」などの一定時間が経つことで交換が必要になる部品があることなど、裏側もしっかりと確認したうえで検討してみて欲しい。

 

 

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石油給湯器交換の要点、重要事項

 

少しでも安く購入したいなら、複数社の比較・検討は必須条件

石油給湯器の販売価格は、業者によって大きく差が出ることが多い。

取り付け作業料を含んでいることを考えると、安ければ安いほど優良業者であるとも言い難いのだが、同じ給湯器を取り付けるのに5万も6万も金額差があったら、不満に感じてしまうユーザーも少なくないだろう。

 

石油給湯器の本体価格は、基本的には大幅に値引きをされる前提のメーカー希望小売価格となっている。弊社では大体60%くらいの値引き率になることが多いが、この辺りは相手を見ながら調整することが多い。

どういう時に高い金額で持ちかけるかというと、「一刻も早くお湯を使えるようにしたいという焦りをユーザーから感じた時」だ

 

一刻も早くお湯を使いたいユーザーは、複数社からわざわざ見積もりを取って価格交渉するなんて面倒なことはしないし、自分が価格調査をするのを面倒くさがって「給湯器の価格なんてどこも一緒でしょ?」と高を括ることも少なくない。

そういうユーザーは、金額的な面で損をしてしまう可能性があることは、言うまでもないだろう。給湯器に限らず、何かを買う時は複数の候補から選んだ方が失敗は少ないぞ。

 

どこまでの範囲で交換作業を行うのかの事前確認

給湯器の交換費用には、給湯器本体の値段だけではなく、取り付け費用やその他部材費が含まれる。

給湯器本体からの値引き率は、高ければ高いほどユーザーに有利と言えるだろうが、果たして取り付け費用は安ければ安いほどお得になると言えるのだろうか。

 

業者によって、本当に給湯器を入れ替えるだけの業者もいれば、傷んでいる部材は新しくするという業者もいるし、製品の保証延長を付けてくれるという業者もいるだろう。

このあたりの内容は、複数社を比較して初めて分かる違いじゃないかと思う。

A社とB社を比べて、トータル的な金額はA社の方が1万円安かったとしても、B社には10年の製品保証が付くというケースであれば、B社の方がお得に感じるユーザーも多いはずだ。

 

業者によっては「1円でも安く…」という感情が強すぎて、本当に最低限の仕事しかしない業者もいる。

その辺は、給湯器の交換見積もりで「その他部材費」の部分を見れば一目瞭然であるから、給湯器の交換を検討する場合は、どこまでの範囲で交換作業を行うかについても検討材料にしてみてほしい。

 

製品の保証延長は、任意で加入が可能

ちなみに製品の保証延長を売り文句にしている業者がいたら、基本的には「給湯器の交換費用の中に、既に保証延長の料金が加算されている」と考えた方がいい。

例えばノーリツ製の石油給湯器なら、7年の保証延長で約1万円、10年の保証延長で約4万円の費用を払えば、誰でも加入できるのが保証延長だ。

 

もし給湯器の交換費用が30万円で、これに10年の保証延長を付けると言っているのであれば、26万円の交換費用で保証延長なしに相当する。

この辺りは業者のさじ加減で好きなだけ複雑な料金形態にできるから、一見するとお得なように感じても、実はそうでもないという罠が用意されていることも少なくない。

 

いずれにしても保証延長に関しては、ユーザーがメーカーと契約するものだから、わざわざ業者から付加価値として提供してもらう必要もないだろう。

※もちろん自分で加入するよりもお得に入れるのであれば、ぜひおすすめしたい。

 

 

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最後に

石油給湯器は毎日使うものだし、この先も7年~10年に渡って付き合っていくことになるから、出来ることなら失敗したくないと考えるユーザーが多い。

それでも給湯器交換で失敗してしまうユーザーが一定数いるのは、給湯器が故障してしまってお湯が使えないという状況に付け込まれてしまうからだと推測する。

 

弊社ではなるべくユーザーに親身になって提案することを心掛けているが、他業者の見積もりを見てボッタクリ価格に驚くことも少なくない。

石油給湯器の交換で失敗しない為にも、ぜひ本記事を参考にしてくれ。

 

最後に、石油給湯器の交換に関する情報が詳しく書かれているサイトを紹介しておく。

もっと詳しい情報を知りたいという読者は、ぜひ覗いてみて欲しい。

 

 

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