
すずき設備社長の鈴木だ。
給湯器を交換する際は複数業者から見積もりを貰い、給湯機本体からの値引き率だけじゃなくて「何を交換して何を再利用するのか(どこまで手を掛けてくれるのか)」を確認しようと案内しているが、何も知らないユーザーにとっては「何を再利用してはだめなのかが分からない」という人も少なくない。
今回は「給湯器交換の際に交換が必要な物と、交換するかどうかはユーザー次第な物」について紹介していく。
給湯器交換の際に交換が必要な物
- 排気筒(煙突)
- ガス可とう管
- 給湯器接続部のパッキン類
- リモコン(※少し特殊)
排気筒の交換は必須

屋内設置型の給湯器を使用している場合、もし排気筒の外観に汚れや傷みが無かったとしても交換は絶対だ。古い排気筒を使用することは一酸化炭素中毒などの事故につながる可能性があるため、絶対に避けてもらいたい。
排気筒は距離によって値段が変わってくる部分ではあるが、FF式の場合はどんなに安くても10000円以上は掛かることが多いため、見積もりを見る際は注意して確認してほしい。
石油給湯器の強制排気方式(FE式)と強制給排気方式(FF式)の違い

屋外設置型の給湯器なら排気塔は最初から不要だ。マンション設置の場合も排気筒が不要な場合が多いが、これは選ぶ機種によって変わるという感じだ。
ガス可とう管の交換は必須
上記にあるようなガス可とう管や強化ホースなどの「ガス接続している部材」の交換は必須だ。ただしガス給湯器を使用しているすべての現場で使用されているというわけではない。
これらが使用されている場合は再利用せずに交換してもらわなければならないが、白管(銀色の金属管)で直結している場合等は再利用が可能だ。

新しい給湯器に交換する際に配管の接続箇所が変わって取り回しも変わる場合に、可とう管に変更した方がやりやすいということで新たに計上するパターンもある。この辺の判断も業者によって違うから、見積書を見るときは注意して見てみるといいだろう。
リモコンは少し特殊
少し前までは給湯器リモコンは本体に備え付けだったのに対し、最近は別売りになっていることが多い。もし今使っているリモコンに不具合が出ておらず、新しい機種に互換性がある場合は再利用も可能だ。
もちろんリモコンは古いわけだからすぐに壊れてしまう可能性もあるが、新しい給湯器と互換性があるリモコンであれば必ずしも交換しなければならないというわけではない。この辺を教えてくれる業者と、知らん顔して交換ありきで見積もりに計上してくる業者がいれば、そこもチェックしておくといいだろう。
給湯器交換の際に交換するかどうかを選べるもの
- 配管カバー
- 排気カバー
- 循環アダプター
- 凍結予防ヒーター、保温材など
配管カバー、排気カバーは互換性があれば再利用可能

配管カバーは上記のような形状をした、給湯器の真下に取り付ける部材だ。多くのユーザーは「最初から付いてきた=給湯器の同梱品」と思っているが、実はこれはれっきとした別売り部材である。
メリットとしては「配管に直接風が当たらない」とか「コンセントなどの配線が見えなくて見栄えが良い」などであるが、不要なら不要で問題ない部分だし、値段も5000円以上するぞ。
給湯器の形にフィットする形状になっているから、新しい給湯器に再利用するのは難しいことが多いが、必ずしも取り付けなければならないような物ではない。
循環アダプター
循環アダプターとは浴槽と追い炊き配管をつないでいる部材のことで、浴槽側はフィルターになっている上記のような部材のことだ。これが故障すると「お風呂がぬるい、設定温度まで上がらない」という症状になるが、これは給湯器の交換と一緒に交換するような物ではない。
給湯器の交換業者はここを交換見積もりに計上するということはほとんどないだろうが、給湯器を交換した後で循環アダプターに不具合が生じたとき、場合によっては「施工業者のせいだ!」と勘違いしてしまうかもしれないから注意しておく。

使い方にもよるが循環アダプターは20年~30年くらいで交換になる現場が多いような気がするな。もちろんパッキンがへたって水が漏れてくるというケースならもっと短い。
凍結予防ヒーター、保温材など
寒冷地に住んでいて屋外設置型の給湯器を使用しているなら、給湯器外の配管に凍結防止の処置をしていることと思う。このヒーターにも寿命があるため、これを交換するかどうかは業者の裁量次第だ。
はっきり言って給湯器交換のタイミングごとに交換するようなものではないが、凍結を予防するという一種の保険のようなものだから、交換しないからと言って手抜きとは思わないし、交換するからと言って吹っ掛けているという感じでもないだろう。ここは各業者によって判断も変わるだろうから、注意して確認してみるといい。
最後に
弊社では基本的に交換するかどうか微妙な物については、ユーザーに確認を取ることにしている。しかし、ユーザーによっては「難しいことは良くわからない、いいようにやってくれ」と言われることが多い。
だから自ずと施工業者の中には「こっちで良いように判断する」となっているケースがある。ユーザーとの相性があるから、それでいいって人もいれば「ちゃんと確認してほしい」という人もいるだろう。
その辺を判断するためにも、複数の業者から見積もりをもらって比較・検討することをおすすめするぞ。ぜひ、参考にしてくれ。