すずき設備社長の鈴木だ。
最近はオール電化やエコに対する注目度が高まってきている。特にエコジョーズの伸びは圧巻の一言だ。最近はガス給湯器=エコジョーズの風潮が強くなってきていて、従来型のガス給湯器を新たに取り付けるという人はかなり少ないように思う。
ただし燃費効率の良さだけを追求して「エコジョーズの方が売れてるならそれでいい」という雰囲気で決めてしまうと、後々になって後悔してしまうかもしれない。
以下では「エコジョーズのメリット・デメリット」について解説するので、ぜひ参考にしてほしい。
エコジョーズとは?
エコ○○について
最近流行りの燃費が良いエコタイプの給湯器であり、ガス給湯器はエコジョーズ、石油給湯器はエコフィールと呼ばれる。ちなみにエコキュートという名前を聞いたことがあるかもしれないが、あれは全くの別物でどちらかと言えば電気温水器に近い。
本記事でテーマになっているエコジョーズは「従来型よりも燃費が良くなったガス給湯器」と思ってもらえれば問題ないだろう。
エコジョーズの仕組み
ここではまずエコジョーズの燃費がなぜ良いかについて説明する。内容は以前に書いたエコフィールの記事と内容が重複するため、そこから文章を丸々引っ張ってきた。エコフィール部分をエコジョーズに替えて解釈してくれ。
なぜ燃費が良いのかという話を簡単にしておこう。簡単に言うと「今まで捨ててた排気を更に熱交換してから捨てよう」という仕組みにしたのが高効率ボイラーだ。
従来型の煙突から出される排気ガスは約200℃で非常に熱い。しかし200℃もの気体なら「そのまま捨てずに水を温めるのに使えるんじゃないか?」というのがエコの試みである。
そのため、エコフィールの煙突は触ってもぬるいことが多く、今までのように火傷しそうなほど熱いことはない(だからと言って不用意に触らないでくれ)。
エコジョーズのメリットとデメリット
従来型ガス給湯器と比較すると燃費が良い
リンナイのホームページから引っ張ってきた資料によると、年間で約15000円ほどのガス料金が浮く計算らしい。ただし色んな状況が噛み合って算出された数字であるし、そもそものガス消費量が少なければ節約できる量も少なくなるため、ユーザー全員がこうなるわけではない。
とは言っても、エコジョーズの場合は従来型と比較しても本体価格がそこまで高くなるという感じでもないため、よほど普段からのガス消費量が少ないという家庭以外なら得できるケースが多いのではないかと思う。
リンナイの公式ページが言っているように、本当に年間で15000円のガス料金が節約できるなら10年で15万円だからな。上手くやれば給湯器が1台買える金額だ。
ちなみにリンナイのホームページに面白い資料があったので、ここで紹介しておく。なんと従来型の給湯器と比べて、約1年7カ月で価格差をクリアできるというものだ。この後は使用期間に応じて徐々に得になっていくと考えていいだろう。
実際には都市ガスかプロパンガスかでも節約効果は変わってくるだろうし、一概にこれほど得になるとは言えないだろうが、エコフィール(石油給湯器のエコタイプ)に比べたら十分に得できるスペックと言って問題ない。
排出される二酸化炭素など自然に優しい
エコジョーズには二酸化炭素の削減効果もあるようだ。リンナイのホームページに書いてある情報によると、1年間で約11%の二酸化炭素が削減できるらしい。
ちなみにガス消費量も約11%カット、熱効率は約15%アップしているとのこと。自然にも優しくて家計にも優しんだから、非常に人気のある理由が分かるのではないだろうか。
本体価格が高い
そこまで神経質になるほどでもないが、エコジョーズの場合は従来型の給湯器と比べると本体価格がやや高い。本体価格よりもリモコンなどの料金の方が高くなったようなイメージもある。
ただ、ここについては各業者が価格競争をしているという意味で、ユーザーに残る負担は小さいものだと思っている。エコタイプが出たからと言って従来型が安くなったわけではないため、その金額差は徐々に狭まっていくことが予想されるだろう。
業者に見積りを依頼する際に、従来型とエコジョーズとで2通りの見積もりを取ってみるといい。恐らくそんなに変わらないはずだ。
従来型よりも取付費用が掛かる
エコジョーズの中には集合住宅向けでドレン配管の施工を不要とするものもあるが、原則としてはドレン配管と呼ばれる配管を施工する必要がある。
これが屋内タイプの場合、床に穴を開けてドレン配管を落とし込み、床下で排水管と接続するという作業が必要になることが多い。こうなると従来型の機器と比べて取付作業にも一手間加わることになり、取付費用も高くなると考えた方がいいだろう。
従来型よりも修理費用が掛かる
これについてはエコジョーズがどうこうというよりも「新しい機械に多い傾向」と言うべきかもしれない。従来型における新作はこれまでの集大成となるのに対し、ジョーズについてはまだまだ発展途上である。つまり予期せぬ不具合が起こる可能性があるという言い方もできるだろう。
それからエコジョーズには中和器という部品が搭載されており、これは一定時間使用することで必ず交換が必要になる。年間15000円ほどの灯油が節約できるということだったが、この中和器の交換で15000円ほどの修理費用が掛かるというということは頭に入れておくべきだ。
関連記事高効率給湯器(エコタイプの給湯器)が出すエラー920と930の厄介さ
最後に
当社ではエコフィールはおすすめしていないが、エコジョーズはおすすめしている。理由としては値引き率が大きく、本体価格の差もそこまで気にならないことが多いからである。
故障率の多さに関してはそこまで気にしても仕方ないと思うし、少しでもガス消費量を抑えて修理費用や次の機器交換費用に充てた方がいい。ぜひ、参考にしてくれ。