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石油給湯器の寿命と耐用年数ー多くのユーザーが勘違いしている事実

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石油給湯器の寿命と耐用年数 多くのユーザーが勘違いしている事実

すずき設備社長の鈴木だ。

様々な情報が流れているインターネット上ではあるが、給湯器の寿命や耐用年数に関しても様々な説が囁かれている。それこそ10年だとか15年だとか…20年と書いているサイト運営者もいるんじゃないか。読者からしたらどれが本当の情報なのか悩んでしまうことだろう。

実際に給湯器の寿命と言うのは、使用頻度などにも左右されてくるから一概には言えない部分が大きい。しかしながら「大雑把にでもいいから」ということで知りたいというユーザーも少なくない。以下では「石油給湯器の寿命と耐用年数」について解説するので、ぜひ参考にしてほしい。

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直圧式かセミ貯湯式かで石油給湯器の寿命は変わる!?

  • 直圧タイプ:高性能のため、貯湯タイプと比較すると長持ちしにくい
  • 貯湯タイプ:腐食にも強く、構造がシンプルで長持ちしやすい

石油給湯器は大きく分けて2種類:直圧タイプとセミ貯湯タイプ

まずは石油給湯器の中にも種類があり、直圧タイプとセミ貯湯タイプの2種類が存在するというところから始めなくてはなるまい。簡単に言うと水圧が強いのが直圧式、水圧が弱いのがセミ貯湯式だ。

セミ貯湯式は単に貯湯式と言ったりもする。自分が使っているものがどちらか分からないという場合は、以下のリンクを参考にして欲しい。

直圧式石油給湯器のメリット・デメリット|水圧が強くて便利な給湯器

セミ貯湯式石油給湯器のメリット・デメリット|安価で丈夫が特徴!

直圧タイプとセミ貯湯タイプはどちらが良い?

「どちらの給湯器がいいか?」と聞かれたら、多くの人は「水圧が強い方(直圧式)」と答えるだろう。確かに水圧の強さを含めた使い勝手の良さは、セミ貯湯式よりも直圧式の方が遥かに優れている。

しかし機器寿命や耐久力にスポットを当てると話は別だ。直圧タイプの方が本体価格は高い傾向にあり、寿命・耐用年数は短くなる傾向が強い。また、地下水や井戸水ユーザーのほとんどはセミ貯湯式を選ぶ人がほとんどだ。

直圧式石油給湯器の機器寿命は7年~10年

まず初めに言っておきたいのだが、多くの人は給湯器の寿命を10年と思っている(ことが多い)。電化製品の多くは、おおよその目安が10年と言うからな。実際に家を建てて10年にもなればあちこちがイカれてくるし、これについては頭ごなしに見当違いとも言い難い。

ただ、給湯器の寿命について正確に言うなら7年~10年という表現が最も的確で、給湯器メーカーの人間はこうやって言ってくるし、弊社でもそう感じている。そもそも大家族と一人暮らしとで、同じ機器寿命にされちゃたまったもんじゃないが、一般ユーザーに対して「着火回数が〇〇万回が限界で~」と言っても理解できないだろう。

もちろん状況によって短くも長くもなることは言わずもがな、あくまで一般的な家庭の場合は7年~10年の範囲内に収まることが多く、10年使えて当然というものではないと考えていい。ちなみに給湯器の寿命に関しては、こちらの記事が最も詳しく書かれていたように思うから、ぜひ参考にしてくれ。

外部リンク 給湯器 寿命

貯湯式の機器寿命は直圧式よりも長い

直圧式のバーナーは複雑な構造になっているものが多い

一方でセミ貯湯式石油給湯器は、直圧式石油給湯器よりも長持ちする傾向が強い。理由としては構造がシンプルだし、割と騙し騙し使えるような不具合が多いからだ。例えば壁掛けタイプの直圧式だと、バーナーに搭載されているサーミスタなどの一部の部品が壊れたとしても、その構造上バーナーを一式で交換せざるを得ない。

たまに「バーナー丸ごとじゃなくて壊れた部分だけ直せ」と簡単に言ってくるユーザーもいるが、それをやると部品代が2万円安くなる代わりに作業料が3万円上がるような内訳になる(そもそもできないが)。

ちなみに石油給湯器の壁掛けタイプだと、予熱が必要な気化式バーナーというものを使っているのだが、こいつが結構壊れやすく、部品代としても高いと言わざるを得ない金額になっている。その時点である程度の使用年数になっているだろうから、このタイミングで新しい給湯器への買い替えを検討するユーザーが非常に多い。

石油給湯器の「予熱」とは?意外と知らない給湯器の仕組み

貯湯式はシンプルな構造ゆえに故障も分かりやすいものが多い

話が脱線してしまったが、セミ貯湯式であれば部品を交換しなくてもちょっとバーナーを掃除してやれば使えるようになることも少なくない。パイプ接続部分のパッキンを交換してやるだけで水漏れが止まるという不具合も多く、直圧式に比べると修理費用も安い傾向にある。

故障しにくいというのも当然あるが、どちらかというと故障しても簡単に直せる不具合であることが多いと言っていいだろう。何といっても構造がシンプルだからな。

直圧式の石油給湯器で修理無しで10年持つ機械というのはあまり見ないが、貯湯式の石油給湯器が修理無しで10年持つというパターンはそこまで珍しくないように思う。直圧式の給湯器が無故障で12年使用できたと聞けば長持ちしたような気がするが、セミ貯湯式だったら別に珍しいとも思わない。

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ガス給湯器と石油給湯器だとどっちが長持ちする?

ガス給湯器と石油給湯器を寿命の観点から比較すると、圧倒的にガス給湯器に軍配が上がる。弊社のデータではガス給湯器と貯湯式石油給湯器が同じくらいで、直圧式石油給湯器が足を引っ張っているというイメージだ。

ガス給湯器も長期間使用することでガスの燃えカス成分が詰まりを引き起こすことがあるのだが、石油給湯器の煤詰まりに比べたら可愛いものと言っていいだろう。

その他にも「同じエコタイプでもガス給湯器の方がコストパフォーマンスが優秀」などのメリットがあるため、ガス給湯器か石油給湯器かで悩んでいるユーザーには全力でガス給湯器をおすすめしたい。

ガス給湯器のエコタイプ|エコジョーズのメリット・デメリット

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機器寿命・耐用年数を迎えた給湯器は買い替えた方が吉

古い給湯器は買い替えたほうが得するケースが多い

ユーザーの中には「業者は新しいものを売りつけたいから直せるものも直さない」という人がいる。確かに客の不安感を煽って買い替えの話に持っていくことも珍しくはないが、弊社では使用期間が10年にもなるような給湯器は大人しく修理した方が利口だと考えている。

理由としてはやはり10年近くにもなったような給湯器は、次から次へと別の箇所が悪くなることが容易に想像できるからだ。修理に必要な費用が1万円~2万円程度でダメ元で修理をしたいというなら無理に止めたりはしないが、10万を超えるような大金をはたいて修理しているユーザーを見ると不憫に思う。

業者にもよるが、安い所を探せば定価40万円ほどの給湯器が取付料込みで20万ちょっとになったりもするから、10万かけて修理をするよりかは買い替えた方が安心できるだろう。

給湯器はどこで買うのがお得なのか|損しない給湯器交換

給湯器が寿命を迎えている場合に多く見られる症状

  • 燃焼能力の低下
  • 出湯温度のムラ
  • 異音
  • 水漏れ

給湯器が経年劣化してくると上記のような異変が起こることが多い。そしてこれらの症状は、給湯器故障の前兆として現れる。

異音があるような場合は燃焼不具合も伴っていることは少なくないが、どちらも直すとなれば高額修理になりやすく、片方しか直さないという場合はまたすぐに再故障してしまう可能性が高いだろう。

このような場合は、大金をかけて修理するよりも新しい給湯器に買い替えた方が賢明だ。

給湯器が壊れる前兆に多く見られる症状をピックアップ

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最後に

生き物と違って修理できる分「どこまでを寿命とするか」という部分で意見が分かれると思うが、いくら修理ができるからといって5万以上の金を投資しなきゃいけないような状況を「修理ができるから寿命じゃない」と言うのには無理があるだろう。

石油給湯器の寿命/耐用年数は大体7年~10年くらいで、貯湯タイプについてはこれよりもちょっと長くなると考えていい。ぜひ参考にしてくれ。

石油給湯器の正しい選び方|給湯器交換の要点、重要事項を解説する