すずき設備社長の鈴木だ。
給湯器交換の時に「実際に交換してお湯を使えるようになるまで、どれくらいの時間がかかる?」と不安になってしまうユーザーは多いだろう。
仕事をしている人なら取付作業中に家にいなくてはならず、場合によっては会社を休まなければならないだろうし、そもそも一刻も早くお湯が使いたいのにどれくらい待たされるのかも不安になってしまうのではないだろうか。
ここでは「給湯器の納期や取付作業など給湯器交換にかかる時間の話」をしていく。
一般的な給湯器交換の流れ
修理の段階で交換・買い替えを勧められる
一般的にはいくら給湯器の寿命が10年程度と言われていても、その時期になったからといってまだ使えている給湯器を交換するというケースはあまり無い。
多くのユーザーは「給湯器が故障してしまって、修理をしようと思って呼んだ業者に『修理じゃなくて交換した方がいい』と言われて決断する」というパターンが多いように思う。
そこでまずはこの業者に「給湯器を交換するといくらになるか」の見積もりを貰い、交換の検討に入るだろう。もちろん人によってはここで即決する場合もあるし「もっと他に安い業者があるかもしれない」ということで別の業者に見積もりを貰う人も少なくない。
見積もりに納得したら依頼→給湯器本体の納期待ち
見積もりを貰って納得したら、その業者に対して給湯器の交換作業を依頼する。業者によっては在庫があるかもしれないが、無ければ注文して納期を待つことになる。
納期は通常なら1~3日くらいだが、繁忙期を迎える冬12月~2月くらいだと機種によっては1週間くらい待つこともあるし、酷い欠品が出ている時は注文段階で納期が出ないということも珍しくない。
コロナ禍の影響を受けて部品の不足が出ている2021年は、繁忙期の前に既に給湯器の不足が問題になっている。これは最低でも来春まで解消される可能性は低いから、お湯が使えなくなると困るという人こそ先手先手の行動をおすすめしたい。
施工業者とユーザーとの間で日程調整
注文した給湯器が設置できる段階になったら、業者とユーザーとの間で日程調整が行われる。ユーザーによっては「どうしても仕事は休めないが、なるべく早く取り付けて欲しい」などの希望もあるため、この辺りは各施工業者に相談してもらうことになるだろう。
ちなみに給湯器本体が家の外に設置されているタイプだとしても、家の中にある操作リモコンも新しくなることが多いし、取り付けた後に試運転もしなければならない。
業者によっては「ユーザーが家にいない間に外の取り付け作業をして、ユーザーが戻ってきてから家の中の作業と試運転をする」などの融通を利かせてくれるかもしれないから、この辺は必要に応じて相談してほしい。
給湯器交換の実際の作業にかかる時間
- 給湯専用ボイラー:~2時間
- 給湯+ふろ機能付きの給湯器:1時間~3時間
- 給湯+暖房機能付きの給湯器:2時間~4、5時間
給湯器の交換作業は設置状況にも左右されるが、大まかな作業時間は上記のような感じだ。機能によって時間が大きく変わり、給湯専用機なら1時間程度で作業が完了するケースもある。
一方で暖房機能付きの場合、朝イチで交換作業を開始しても昼までに終わらないことが多い。これまで使用していた不凍液も新しいものに交換しつつ、配管洗浄作業なども並行して行うことが多いため、どうしても時間がかかってしまいがちだ。
昼頃から作業を始めた場合だと、夕方過ぎにようやく試運転が行えるという感じのことが多いから、暖房端末の数にもよると思うが最低でも4時間くらいは覚悟した方がいいかもしれない。
給湯器の交換をする際に知っておくと得をするワンポイント
一刻も早くお湯が使いたいという焦りを見せるのは禁物
給湯器が完全に壊れてしまってから交換を検討するというケースが多いと思うが、この時の80%以上のユーザーは「一刻も早くお湯を使える状態にしたい」と考える。それは業者側も重々承知しているから、もし業者側に「あ、この客は『今日中(もしくは明日中)に交換できますよ!』と言えば落ちそうだな」と思われてしまえば、金額を吹っ掛けてくる可能性も考えた方がいい。
もちろん騙そうとかそういうことではなく「本来なら25万円でやってるけど、見積もりは27万円で出してみようか」とかその程度であることが多いが、ユーザーが焦っていれば焦っているほど業者の方は「日程で歩み寄る代わりに金額では歩み寄ろうとしない」のではないかと思う。
もちろん全部の業者がそうではないだろうが、お湯が使えなくても毅然とした態度で「お湯が使えないのは確かに大変だけど、焦って後悔はしたくないからちゃんと検討する」というユーザーに対して、吹っ掛けようとは思わないだろう。
損をしたくないなら複数社を比較することが重要
石油給湯器の値段を知りたい場合、とにかく「石油給湯器を販売、交換している業者から見積もりを貰い、色んな角度から比較する」ということだ。
業者ごとに給湯器本体の仕入れ値も違うし、どこまで交換するか(保温材は巻き直すのか、バルブが付いてなければ追加するのか等)も業者によって異なる。
上記は以前に書いた「石油給湯器の相場を知るためのアドバイス」だが、ガス給湯器にも通じて言えるのが「複数の業者を色んな角度から比較することが大事」ということだ。
もし1社目で交換を決めたとして、取り付け工事が終わった後で知り合いと給湯器の話になり「うちはもっと安くやってもらった」と言われたら腹が立たないだろうか?しかし交換業者も見積もりを出してその通りに作業をしていたのだとすれば、提示してOKをもらった金額だから作業をしたわけで文句を言われる筋合いはない。
リコールなどをちらつかせるユーザーもいるが、個人的には「200円の値札をみて買ったキャベツが他店と比べたら高かったからと言って、2日くらい経ってから返品・返金を求める行為」に近いんじゃないかと思っている。
返金に応じるスーパーも少なくないかもしれないが、少なくともこれは詐欺とは言えないはずだ。値段通りに物を売って、納得して購入した客から「高い!」と後になってイチャモンを付けられているわけだからな。
法解釈がどうなるかは分からないが、いずれにしてもどちらも面白くない気分になるし、これはユーザーが他の業者とも比較をしていれば防げた問題だろうから、後々揉めたくなければ自分の納得できるような選択をすることをおすすめしたい。
最後に
給湯器は10年に1度くらいのペースで交換が必要になり、かなり大きな買い物になる。早くお湯が使いたいという焦りで、無駄な買い物をしてしまわないよう、落ち着いて考えながら検討してみて欲しい。
ちなみに電化製品なんかと一緒で「他店より1円でも高ければ言ってくれ」という業者も少なくない。ただしあまり金額面で追い詰めすぎて、いい加減な作業をされないよう注意が必要だ。ぜひ、参考にしてくれ。