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床暖房の床下配管が腐らないようにするための対策

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床暖房の床下配管が腐る!? 配管を腐らせないようにするための対策

すずき設備社長の鈴木だ。

床暖房を使っている場合、最も注意してほしいのは「配管の腐食」である。暖房機本体の故障、水漏れも大きな修理が必要になるかもしれないが、配管が腐ってしまったとなると暖房ボイラーが壊れてどうこうの話じゃ済まない。

じゃあ暖房配管が腐食しないようにどうすればいいかという話だが、ユーザーが出来るのは1点のみ「不凍液(循環液)を定期的に交換してメンテナンスする」ということだ。

以下では床暖房ユーザーに最も注意してもらいたい、暖房配管を腐らせない為の不凍液交換について解説していこう。

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暖房ボイラー内の循環液は経年劣化する

床暖房ユーザーの多くは暖房ボイラーで循環液を温め、その循環液を床下に流すというシステムを組んでいるはずだ。ちなみに循環液は「不凍液、クーラント」等と呼ばれたりもしていて、様々な色・種類が存在する。上記の画像がその一つであるが、以下では不凍液で統一していく。

まず床下配管を通っている循環液は水ではなく、不凍液と呼ばれる特別な液体だ。これが正常であるうちは配管が凍ったりすることはないし、配管が腐ってしまうという心配もほぼいらない。しかし、この不凍液も経年劣化していく。経年劣化した結果どうなるかというと「凍らない→凍る、配管を腐らせない→腐らせる」という悲劇を生んでしまうだろう。

よほど不凍液が劣化していたり、水で薄まったりしない限りは凍結破損に繋がるということは考えにくいが「これまでに一度も不凍液を交換したことがない!」というユーザーだと配管を腐らせてしまう可能性は十分に考えられる。

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水を足さなければ床暖房配管が腐ることもないのでは?

エラー043で水を足すという応急処置

暖房配管には大きく分けて「密閉式」と「半密閉式」の2種類がある。半密閉式であれば、ユーザー自身が不凍液を追加することも可能だ。この時、エラー043という暖房水不足のエラーを出すことがあるのだが、この時に不凍液がなければ一時的に水を足してやることで復帰することがある。

ただしこれをやってしまうと不凍液の濃度が薄まってしまうため、多少であれば問題無いが一定ラインを超えると「凍結のリスク」が出てきてしまう。そのため、弊社ではあまりおすすめしていない。どうしてもという時だけ、少量の水を足すくらいに留めて欲しいという考えだ。

暖房機の不凍液が不足(エラー043)|水を追加するのがダメな理由

水を足さなければ問題無いのでは?

ちなみに暖房ボイラーの種類によっては、自動給水機能が搭載されている。これは「暖房機本体が不凍液が足りないと判断すれば自動的に水を足してくれる」というシステムだ。この機能があればユーザー自身で不凍液や水を足してやる必要はないし、エラー043とも無縁の生活が送れるだろう。

ただしこれは「ユーザーが水を足す」という行為を暖房機本体が代わりに行っているだけだから、結局不凍液は水で薄められていることに変わりはない。しかもどの程度薄められているかが見えてこない為、使用状況によってはかなり危ないラインまで行っている可能性もあるのではないかと思う。

つまりユーザー自身で水を足していなくても、機種によっては自動で水を足しているケースもあるからやはり定期的なメンテナンスは必要と言えるだろう。ちなみにこの自動給水機能が頻繁に働くと「頻繁に補充が必要→どこかで水が漏れているのでは?」という判断になり、その量に応じて別のエラーを出すから注意してほしい。

暖房ボイラーにおけるエラー173とエラー543が厄介な理由

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不凍液、循環液を交換するペース

メーカーは3年ごとの交換を推奨している

ちなみに不凍液の交換時期についてはカタログや取扱説明書に記載されているが、多くの機種で3年ごとの交換が推奨されているのは多くのユーザーに知られていない。筆者としては3年ごとに交換しろというのは高頻度すぎるような気もするから、弊社では4年か5年での交換をおすすめしている。

理由としては「暖房機の機器寿命が大体7年~10年となっているため、その折り返し時点でやってもらえれば」という感じだ。

不凍液の交換費用は現場によって大きく変わるから一概には言えないが、純正の不凍液を使用するのであれば、10リットルあたり1万円前後になる。20リットルで15000円前後だ。これに作業料が掛かってくるが暖房端末がパネルヒーターならエア抜きが必要になるし、普通は不凍液の入れ替えに伴って配管洗浄なんかもするから作業料も数万円単位になるのではないかと思う。

メンテナンス費用としては決して安くない金額ではあるが、ここをケチって暖房配管を腐らせてしまった場合、これとは比較にならないくらいの修繕費用が掛かる可能性も出てくるだろう。

鈴木社長
鈴木社長

弊社の基準で言えばパネル1枚2500円程度だ。ただし規模や端末の種類によって柔軟に対応しているから、パネル2枚で5000円ということはあっても、20枚で50000円ということにはならない。

不凍液をちゃんと交換するメリット

  • 配管が腐ったり凍ったりしてしまうことを防げる
  • 暖房の温まる効率が良くなる
  • パネルなどの異音が軽減する

不凍液が新しくなることによって熱効率も良くなるし、異音などがする場合は改善される可能性もある。何よりも暖房配管を腐らせてしまうリスクが一気に低くなるから、絶対に怠らないようにしてほしい。

多いのはパネルヒーターを使用していて「カラカラ、カンカン」という音が気になっているというユーザーだ。もしかすると古い不凍液が結晶化していて、それが循環している時に金属に干渉している音かもしれない。これなら不凍液の入れ替え作業で改善する可能性が高いだろう。

パネルヒーターから聞こえてくるカラカラという異音は暖房機の異常?

不凍液の交換、入れ替え作業は素人ユーザーでも可能?

不凍液の交換作業と暖房配管洗浄はセットになっていて、それ用の機材が必要になるから素人が手を付けるには難しいと思う。ここは黙ってプロに依頼した方がいいだろう。

地元の設備屋・水道屋に依頼してもいいし、暖房機メーカーに依頼してもいい。暖房配管の規模によっては1日がかりの作業になることもあるため、費用の見積もりと合わせて作業時間も確認することをおすすめする。

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最後に

弊社では不凍液が原因で故障に繋がってしまったケースとして、暖房ボイラーが壊れたとか、ファンコン端末から不凍液が漏れてきたというケースを見たことがある。

端末から不凍液が漏れてきただけでも、床は不凍液の色に染まってしまって、ニオイもしばらく取れなかった。端末でこのレベルだから、配管から漏れたらもっと悲惨だと思う。

そうなってしまった時の修繕費は、不凍液交換費用の比じゃないから、気になるユーザーは不凍液交換費用の見積もりを貰ってみるといいだろう。ぜひ、参考にしてくれ。