すずき設備社長の鈴木だ。
よく「給湯器の修理をするのに資格って必要?」とか「DIY感覚で給湯器の修理って素人でも可能?」と聞かれることがある。
もしかするとガス給湯器のガス通路部部品を取り外す際は必要資格があったかもしれないが、修理をするのに資格は不要だ。ただし、メーカーから認定されている必要がある。
以下では「給湯器の修理をするのに資格って必要?素人でも可能?」というテーマで話を進めていきたい。
給湯器の修理をするのに資格って必要?
- ガス可とう管接続工事監督者
- ガス機器設置スペシャリスト
- ガス消費機器設置工事監督者
ガス給湯器を取り扱う場合、これらの資格を持っている人がほとんどだと思うが、これらは基本的には「給湯器を施工するのに必要な資格」である。
もちろん修理するシチュエーションによっては給湯器本体を外さなければならない可能性もあるため、これらの資格を持っているのが理想ではあるが…。
少なくとも筆者がメーカーサービスに勤めていた時は、これらの資格をメーカーに提出する必要はなかったと記憶している。
給湯器を修理するにはメーカーからの認定が必要
給湯器の修理は誰でも出来るというものではない。ちょっと前なら、その辺の水道屋・設備屋でも修理可能だったが、最近は給湯器本体が複雑化してきているため、それ相応の知識がないと難しい。
もし知識や経験があったとしても、今のメーカーは「専門の修理業者以外に部品を販売しない」という姿勢を取っているから、その辺の水道屋・設備屋だったり一般ユーザーが部品を手に入れること自体が難しいだろう。
ちなみにメーカーから認定してもらうには、メーカーの認定しているメンテナンス委託会社に入社し、そこで実務経験を積んでから然るべき試験を受けることになる。
そしてそのメンテナンス委託会社を退社する際には、認定証を返さないとならない。こうなってしまうと「知識や経験はあっても部品が手に入らない」ということになり、給湯器の修理はできないということになってしまうのだ。
素人でも可能な給湯器修理とは?
一方で、素人にも可能で資格も不要な修理も存在する。
例えば「パイプ接続部からの水漏れ」であれば、対応しているパッキンがあれば修理出来るだろう。E-043が出た際の不凍液補充もユーザー側で対処可能だ。
あとは「リモコンが付いたり消えたりする」という症状の時に多い「リモコン線の腐食」についても、電気の知識があれば直せるという人も少なくないだろう。
ちなみに給湯器内部の修理であれば、電気工事士などの資格は必要ない。
いずれにしても自己責任となり、素人が手を加えることで「然るべき保証が受けられなくなる」というリスクがあるため、燃焼部品や水メカなどに対して闇雲に手を出すことはおすすめしないが…。
簡単なエラーならユーザーでも対処できることは少なくないぞ。簡単なエラーかどうかの判断は「取扱説明書にエラーが記載されているかどうか」でも判定できるから、興味のある人はチェックしてみて欲しい。
最後に
給湯器の修理自体に資格は不要だが、部品が手に入らなかったり、保証が受けられなかったり…。なにより間違った処置をしてしまうと事故に繋がる恐れもあるから、よほど自信がなければ手を出さない方が無難だ。
修理業者は呼ぶだけでも結構な費用が発生してしまうが、それなりの技術や経験に対する対価であるから、同じことを一般ユーザーがやるのはかなりハードルが高いと思うぞ。ぜひ、参考にしてくれ。