すずき設備社長の鈴木だ。
給湯器の修理において1番難しいのは「故障診断」である。給湯器がエラーを出していて「どこが悪いのか」さえ分かれば、部品交換は自分で出来るという人も少なくない。
では「作業料を払うのは嫌だから部品だけ売ってくれ」という話が通用するかどうかというと、相当難しいと言える。給湯器には「万が一の事故」があるため、最近は部品の販売が非常にうるさく、売ってもらえる部品と売ってもらえない部品が存在するのだ。
以下では「給湯器の部品は注文できるのか、注文できる給湯器の部品にはどのような物があるのか」について解説していこう。
給湯器の部品って注文できる?
給湯器の部品には「注文できる物/注文できない物」がある。
例えば「安全装置」などに関しては、万が一取り付け方を間違ってしまった場合に事故に繋がってしまう可能性があり、事故が起きてしまった場合は自己責任ということも難しいため、基本的にはメーカーが売ってくれない。
例えば石油給湯器に搭載されている「感震装置」なんかは、給湯器の底面に固定されているだけの簡単な部品で、ハッキリ言って素人でも交換が簡単な部品ではあるが、安全装置であるために販売してもらえず、部品交換も修理業者にやってもらうしかない。
感震装置の交換修理に当たった場合は作業を見てみると分かるが、素人でも簡単に出来るような作業で10000円弱の作業料が発生してしまう。これには納得できないユーザーも少なくないだろう。
しかしながら、どこの給湯器メーカーも「部品販売はしない方向」に舵を切っていることは間違いない。
これまでは「作業料に納得できないなら、部品だけ売るから自分で勝手にやってくれ」というケースも少なくなかったが、ここ数年はメーカーに頼んでも「部品の販売はできない」と言われてしまうことが多くなった。
ちなみに給湯器の部品交換作業料は、部品の種類と点数によって変わる。
部品の種類によっては「これを交換するだけで10000円近い作業料は請求しにくい」と考える部品もあるから、そういう場合は「修理スタッフの作業をずっと後ろで見ている」ということをすれば、向こうも「こんな簡単な作業で高額な修理費用は請求できない」と考えて、色々点検をしたり、上手くいけば修理費用を負けてくれるかもしれないから参考にしてくれ。
注文できる部品とは?
給湯器の性能に関係しない部品
大雑把に言うと「給湯器の性能に関係しない部品」なら、メーカーに言えば販売してもらえる。
具体例を挙げると「給湯器の給気フィルター/フロントカバー/排気管カバー」等で、主に「外装・見た目」に関係する部品だと思って差し支えない。
あとは給湯器の部品でなくとも、浴槽に取り付けられている循環フィルター等も販売してもらえる。
ただしこれに関しては、システムバスやユニットバスのメーカーによって循環金具の種類が変わるため、ノーリツの給湯器を使用しているからと言ってノーリツの循環フィルターが設置されているとは限らないから注意してくれ。
消耗品など
一方で消耗品なら普通に売ってもらえる。例を挙げると「暖房用の不凍液、配管洗浄剤」等だ。
配管洗浄剤なんかはメーカーの公式ホームページなんかでも注文できるが、メーカーに直接頼むと送料が発生するから上手くない。
弊社の地域のメーカーサービス(給湯器の修理専門業者)なら、頼めば送料無料で届けてくれるから、興味があるなら地元のメーカーサービスに無料で配達してもらえるかどうかを聞いてみるといいだろう。
あとは配管洗浄剤の類も販売してもらえる。
ホームセンターでも手に入るが、市販品よりも洗浄力が高いと言われているし、市販品を利用して何かのトラブルになった際に「メーカー専用の物でないと…」というような形で逃げられる可能性もあるから、気になる人は純正の洗浄剤を使うことをおすすめしたい。
ただし配管洗浄に関しては、薬剤だけの力でやるとなると限界が見えるため、1年~2年に1回くらいはプロの清掃業者におすすめすると清潔なお風呂に入ることができるだろう。
「お風呂配管、追い炊き配管」の掃除方法|プロに任せて安心清潔!
最後に
弊社のような設備屋に勤めている人間からすれば、修理の種類によっては「部品だけ売ってくれれば自分で修理する」ということも出来るが、メーカーがそれを許可していないようだ。
どうしても作業料が払いたくないという場合は、ネットオークションなどで部品を購入するという手段もあるが、どんな状態の部品かどうかも分からないため、給湯器に中古部品を採用することはおすすめしない。ぜひ、参考にしてくれ。