PR

暖房ボイラーの不凍液は自分で補充できるか|注意点まとめ

スポンサーリンク

 

すずき設備社長の鈴木だ。

冬が近くなって暖房ボイラーを動かす時期になると、必ずと言っていいほど「不凍液不足のエラー(E-043)」が多発する。

 

そしてユーザーによっては取扱説明書を読んで、その原因が不凍液不足だと気が付いたら「自分で不凍液を足せるんじゃないか?」と考える人も出てくるだろう。

今回は「不凍液不足のエラーが出た時に、自分で不凍液補充ができるかどうか」について説明していこう。

 

スポンサーリンク

半密閉式なら不凍液補充は誰でも可能

 

暖房ボイラーの配管には「密閉式」と「半密閉式」の2種類がある。単純に「暖房配管が密閉されているかどうか」という話なのだが、もし半密閉式なら誰でも不凍液補充が可能だ。

密閉式か半密閉式かの判断については、基本的に密閉式の場合は配管に圧力を計るゲージが付いていたり、膨張タンクという大きな金属のタンクが取り付けられていることがほとんどだ。

 

1番分かりやすいのは、暖房機本体の上部にネジと蓋が付いていて、そこから不凍液を補充できるかどうかで判断してもいいだろう(後述しているが、ラジエーターキャップを開ける場合は注意点あり)。

密閉式なら文字通り密閉されているから、簡単に補充できるような仕組みにはなっておらず、必ずどこかの配管を外さなくてはならないはずだ。

 

あとは暖房ボイラー本体には窓のような部分が付いていて、そこから白いタンクが見えると思うが、ここに少しでも不凍液が入っているなら半密閉式だし、何も入っていない(不凍液が入っていた形跡が一切ない)なら密閉式という判断でもいい。

ただし施工業者やユーザー自身が密閉式なのを知らずに間違って補充してしまった場合は、この限りではない。

 

スポンサーリンク

不凍液補充の注意点

 

不凍液は絶対に混ぜないこと

不凍液と一口に言っても、各メーカーごとに色も違うし、性能も成分も違う。これらは同じ不凍液という名称だが、決して混ぜてはいけない

もし「自分の家の暖房ボイラーに、どこのメーカーの不凍液が使われているかが分らない」という場合の早合点は注意してくれ。

ノーリツ製のボイラーならノーリツの、コロナ製のボイラーならコロナの不凍液を使っていて当然と考えると、痛い目に遭うことがある。

 

純正の不凍液を使うことが望ましいとは言われているが、それに従うかどうかは施工業者次第であるし、純正の不凍液は価格的にも高いことが多いから、業者によっては安い不凍液を採用することも珍しくない。

以前にも自分で足したことがあるという場合は問題ないだろうが、もし何の不凍液を使用しているかが分からないという場合は、施工業者に確認した方がいいだろう。

 

運転中、あるいは運転してた状態でラジエーターキャップを開けないこと

 

自分で補充できるタイプの半密閉式であれば、暖房ボイラー内のリザーブタンク(濁った白色のようなタンク)に入れれば、本タンクの量が減ったらそっちからしっかりと引っ張ってくれる。

たまにラジエーターキャップ(上記図のような金属製のキャップ)を開けて、直接本体に入れようとする人がいるが、もしさっきまで暖房ボイラーが稼働していたという状態なら、とんでもない大惨事になるから注意してくれ。

 

どうなるかと言うと、消防車から噴出される水のような勢いで、熱くなった不凍液が噴出するだろう。火傷のリスクも発生するし、ボイラーが置かれている部屋も不凍液まみれになるのは間違いない。

暖房機そのものに不具合が無ければ、リザーブタンクに足してやるだけで本体に補充されるようになっているから、リザーブタンクに足してやるだけで問題ないはずだ。

リザーブタンクに不凍液を入れても不凍液不足のエラーが解消しないという場合、リザーブタンクに入れた不凍液量を確認してみて、これが減っていないのであれば「何らかの理由でここから不凍液が正常に補充できていない」という内容の故障か、密閉配管方式の可能性がある。

 

足してばかりではなく、何年かに1回は総入れ替えをすること

不凍液は消耗品であるから、足りなくなったら足すということを何年も繰り返していると、元々の不凍液はどんどん劣化していく。

取扱説明書には3年に1度総入れ替えをしてくれと書かれていて、少なくとも5年に1度は総入れ替えをして欲しいと思うのだが、これを理解していないユーザーも多い。

 

古い不凍液は凍るようにもなるし、配管を腐らせる可能性も出てくる。

給湯器内の配管が腐るだけなら、それを交換してやればいいだけの話だが、万が一「家の中の暖房配管に穴が空いた」となれば、修繕費用も桁違いになってくるだろう。

 

とは言え、不凍液そのものも結構な値段だし、総入れ替えとなると配管洗浄を含めて作業時間がかなり掛かるため、安く済ませるということは難しいのも事実だ。

メーカーが推奨している「3年に1回に不凍液の総入れ替えをしてほしい」というのは費用がかかりすぎのような気もするから、3年~5年に1度は不凍液の総入れ替えをしてくれ。

暖房ボイラー、暖房機能付き給湯器の機器寿命について

 

スポンサーリンク

水を補充することのリスク

 

システムを完全に理解している人なら問題ないが、中途半端に理屈を理解している人は「不凍液の代わりに水を補充する」という手段を取ることがある。

ハッキリ言ってエラー043の多くは、水道水を補充してやることで復旧する可能性が高いことも事実だ。しかしながら、これはやりすぎてしまうと自分の首を絞めることになるだろう。

 

前項でも書いたように、不凍液が劣化することでもたらす悪影響は、あまりにも大きい。

本来なら「凍らない、配管を腐らせない」という特性を持っている不凍液の中に水を入れるということは、凍る可能性、配管を腐らせてしまう可能性を増やしてしまうことになる。

応急的に少しの水を足すくらいなら問題はないと思うが、どこかで不凍液が漏れていたりした場合は、ひと時しのぎの水の補充は根本的な解決にならないし、大量の水を補充してしまうと悪影響のリスクは高くなるため注意しよう。

暖房機の不凍液が不足(エラー043)|水を追加するのがダメな理由

 

スポンサーリンク

最後に

密閉式の場合は不凍液の補充にポンプが必要になるから、素人には補充は難しいだろう。しかし半密閉式なら、誰でも補充が可能だ。

もしかするとメーカーを呼んでも、費用を取られない可能性もあるというくらい非常に簡単な作業だから、もしやり方が分からないなら、業者を手配した時に作業内容を見ておくといい。ぜひ、参考にしてくれ。