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給湯器の設定温度におすすめは無い!使いたいように使ってOK!

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給湯器の設定温度におすすめは無い!使いたいように使ってOK!

すずき設備社長の鈴木だ。

ユーザーからの質問で「給湯器の設定温度のおすすめは?」とか「給湯器が長持ちする設定温度ってあるの?」と聞かれることがある。結論から言うと「給湯器におすすめの設定温度は無いし、ユーザーの使いやすいように使ってもらいたい」というのが答えであるが、どうも一般的にユーザーは「設定温度が高いほど故障しやすいのではないか」と考えがちだ。

そこで以下では「給湯器の設定温度におすすめは無い」という理屈や根拠を説明しようと思う。

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給湯器の設定温度の仕組み

給湯器には直圧式と貯湯式の2種類があるが、直圧式というのは「設定温度を細かく決められる」「シャワーの水圧が水道の水圧とほぼ同じ」という特徴があり、シェア率で言えば直圧式の方が遥かに高い(ガス給湯器ならほぼ直圧式)。

そして直圧式の給湯器でお湯を作る時、基本的には火傷するくらい熱いお湯を作っている。具体的な温度にすると70℃以上だ。給湯器ではその高温のお湯をリモコンで設定した温度になるように水を混ぜて出湯している。

だから「40℃で使用する場合と60℃で使用する場合とで、極端に『60℃で使用している方がバーナーに負担が掛かっている』」ということは無い。もちろん「時間と出湯量が一定で、温度だけが変わる」という場合なら、設定温度が高い方が給湯器に負担が掛かるのも事実だが、40℃使用と42℃使用でそこまで極端な差が出るというのも考えにくい。

それに普通であれば「ぬるいシャワーを長時間浴びるか、熱いシャワーを短時間で済ますか」というように、設定温度が変わるなら使用時間や出湯量にも差が出るのではないかと思う。こうなってくると「どっちがどのくらい給湯器に負担が少ないか」を考えること自体が無駄というか、ユーザーの使いたいように使うのがベストと言えるだろう。

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サーモバルブと併用している場合

温度よりも使用時間や使用回数に注意すべき

最近の蛇口、シャワーなどには、手元で温度調整が出来るサーモ機能が付いているケースも多い。これがあると手元で簡単に温度調整が出来るため「給湯器の設定温度を高い温度で一定にし、使用する際は必要に応じて手元のサーモで調整する」という使用方法のユーザーも少なくない。

これも悪い方法ではないが、個人的にはこのような方法は貯湯タイプのユーザーに推奨される方法で、直圧式ユーザーは「使用温度をそのまま給湯器の設定温度にしてもいいのでは?」と思っている。

このサーモバルブは、設定温度に近くなるように水を混ぜるという仕組みなのだが、これと同じ機能を給湯器も有している。これをサーモにやらせることでサーモが給湯器の負担を軽減させているという考えが出てくるかもしれないが、そもそも給湯器では高温のお湯を作っているため、バーナーなどの燃焼系統部品に負担どうこうは一切関係ない。

しいて言えば、給湯器に搭載されている温度調整の水メカの負担は軽くなっているかもしれないが、そもそも微々たるものだろうし、水メカ自体はそこまで修理費用の高い部品ではないため、本当に給湯器の負担を考えるのであれば使用時間などに気を遣った方がずっと有効だろう。

サーモバルブ使用時の注意点

また、給湯器の設定温度を最大にして、手元のサーモバルブで温度を調整しているという場合、注意してもらいたいことがある。それは「サーモバルブが故障してしまった時」だ。

普段は給湯器の設定温度を60℃にしていてサーモバルブで40℃前後にしているという場合、もしサーモバルブの温調機能が故障してしまうと60℃のお湯が出てくる可能性がある。食器洗いの最中ならまだいいが、これがシャワーで髪を洗っている時に発生したらパニックにならないだろうか。

まぁサーモバルブの温調機能に不具合がある場合の多くは、温度が極端に低くなるケースが多いから火傷の心配はそこまで無いだろうが「水を混ぜられなくなる不具合」が起きる可能性もそこそこあるはずだ。

サーモはあくまで「シャワーは42℃以上がいいけどキッチンでは37℃くらいでいい」という場合に、給湯器の設定温度を42℃にして、キッチンはサーモバルブで少し低くし、シャワーはそのままの温度で使用するというのが無難じゃないかと思う。

シャワーだけお湯が出ないという場合はシャワーのサーモ不具合

石油給湯器の貯湯タイプは例外

貯湯タイプと呼ばれる給湯器の場合、こちらは「お湯を作って給湯器内のタンクに貯めておくタイプ」のため、設定温度が高ければ高いほど熱いお湯を作ることになる。

そして給湯器の電源を入れている間は、タンク内の水(またはお湯)が設定温度以下になったら自動的に燃焼するという仕様なので、この場合は例外だ。給湯機能のみなら好きに使っていいような気もするが、設定温度が低い場合かつ外気温が低い場合だと頻繁に燃焼することになるため、このようなシチュエーションなら設定温度は高めの方が望ましいだろう。

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最後に

給湯器の耐用年数は使用時間や着火回数に起因しているため、「設定温度を低くしたけど、その分長く使っている」では話にならない。そもそも設定温度を低くするというのは、倹約にも何にもなっていないケースが多いから、もし「我慢して設定温度を低くしている」などの場合は、使いたいように使ってもいいのではないかと思う。

給湯器の設定温度におすすめはなく、ユーザーにとって使用しやすい設定温度で使用することをおすすめしたい。ぜひ、参考にしてくれ。