我が家では今、ガスコンロにテーブルコンロを採用している。理由としてシステムキッチンに設置されるビルトインコンロは例外なく高いからだ。
ガスコンロを修理したことがあるという人なら分かるだろうが、部品を1点か2点交換しただけで、普通にホームセンターでテーブルタイプのガスコンロが変えるだけの金額になるケースがほとんどである。
個人的にはバカバカしいと思うものの、時代は間違いなくビルトインコンロに流れていると言えるだろう。スタイリッシュでカッコ良く、掃除もしやすいし機能も充実しているからな。しかしこれだけは忠告しておく、みんなが使っているからという理由だけで損はしないでくれ。
以下では「あえてテーブルコンロを勧めたい究極の理由」について解説するので、ぜひ参考にしてほしい。
テーブルコンロを勧めたい究極の理由
ビルトインコンロに限らず、人は売れ筋商品に弱い
人はネームバリューに弱く、そして売れている物に弱い。給湯器で言えばエコに人は流れているし、最近の新築現場ではエコキュートなんかも持て囃されている。これらの大きな理由は、セールスをする側の人間が「こちらが売れ筋の商品です」と言うことで、消費者が興味を持つように仕向けているからである。
最初は「〇〇についての話が聞きたい」と思ってメーカーの展示場に行ったという場合でも、気付いたら話をすり替えられて「今売れ筋の商品」についての熱いセールストークを聞かされているという状況に陥る人も少なくないだろう。
これ自体を否定するつもりはさらさらないが、今一度「なぜその商品が売れ筋になっているかという理由」について考えてみて欲しい。
売れ筋商品になっている理由
では、なぜ売れ筋商品になっているかと言うと「担当者が必死になってセールスしているから」である。メーカー側にはそれだけ必死になって売りたい理由があるのだ。売れ筋商品と聞くと割と身近な飲料水やお菓子なんかを想像する人も多いだろう。そして、それらの売れ筋は実際に試した人の口コミで広まるケースが多く、本当に美味しいことが多い。
しかしガスコンロの売れ筋商品と聞いた時、それがお菓子などと同じような理屈で売れているとは考えにくい。なぜなら、ガスコンロが1つの家に2台も3台もあるケースがない以上は簡単に比較もできないし、そもそもワンコイン以下で買えることが多いお菓子とガスコンロでは購入するまでのハードルの高さも変わってくるからだ。
「前に使っていたガスコンロより~」なんてことを言い出したら、5年前に10万円で購入したスマホは今2万円で買えるスマホよりも性能が低いなんてことがザラにあるから、冷静になって考えてみると大した意見でないことが分かる。
高い買い物の時ほど、人は慎重にならざるを得ない。この時に「売れ筋ですよ」という言葉を囁かれることで、心のどこかに「みんなが使っているなら間違いないか」「万が一失敗しても、それはみんなが失敗してるということになる」などの妥協点を見つけているのではないだろうか。
メーカーは高い商品を売りたい
メーカーは、あの手この手で高い商品を売りたいと考える。もちろん高いだけではなく、心から良い商品だと思っていてセールスしているケースがほとんどだろうが。しかし良い商品と思う理由には「独自の技術」だったり「最先端のシステム」などの金のニオイがプンプンしてくることが多いのも事実と言える。つまり必然的に商品価格は高くなる傾向が強い。
中には落としどころを用意して、必ずしも1番高い商品を売りつけてくるというわけでもないだろうが、かなり無茶な要求をした後で相手に断らせ、その後で少しだけ無茶な要求をすれば通りやすくなるのと同じように、営業はその道のプロであるから決して油断はしてはいけない。
ガステーブルコンロを勧めたい理由
価格的に安い
こちらはリンナイ製のワンピーストップシリーズと呼ばれるガスコンロだ。希望小売価格は49800円ということで、テーブルコンロとして考えると決して安い方ではないものの、見た目もそこそこスタイリッシュで掃除もしやすい設計になっている。安全装置も申し分ない。
同じような性能のビルトインコンロを買おうと考えたら金額的に10万を超えるケースがほとんどとなり、更にガラストップのプレートにしたりするとそれだけで更に5万円ほど高くなる。
そこまで料理のクオリティにこだわらないという人であれば、ホームセンターに行けばテーブルコンロが20000円程度で買うこともできるし、価格的な安さに魅力を感じるというユーザーは少なくないだろう。
シンプルな構造のテーブルコンロは故障が少ない
テーブルコンロとビルトインコンロの性能差を比較すると、安全装置以外の部分ではビルトインコンロの方が性能が高いことが多く、ここに関しては「値段が高い物のほうが便利」という部分が否めない。しかし性能が高いものほど壊れやすいということも覚えておいて欲しい。
性能が高いということは、部品がより精密に作られていたり、部品の点数が多くなっているということが考えられる。精密な部品は金額的にも高くなるのが当然だし、部品の点数が多ければそれだけ壊れる箇所も増えるということだ。
もちろんコンロもピンキリであるから、テーブルコンロの全てが性能が低いということはないし、最高級のテーブルコンロと最低グレードのビルトインコンロを比較したら、最高級のテーブルコンロの方が遥かに高性能なのは間違いない。それでも双方の一般的なレベルで比較するのであれば、シンプルに作られているテーブルコンロの方が故障も少ないと言えるだろう。
修理か交換かで悩む必要があまり無い
ガスコンロの修理となると、壊れる箇所にもよるが安い部品でも1点の部品交換で10000円弱くらいになることが多い。ちなみにグリルケース(魚焼き部分)の故障に関しては、どんなに大事に使う人でも使用頻度に比例して故障してしまう可能性が高くなるため、魚をよく焼いているという場合は5年ほどで破損してしまうケースも珍しくない。
グリルケースの修理にかかる費用は、大体20000円~30000円ほどだ。それを嫌って別売りの電気で動作する魚焼き器を使用しているユーザーもいるが、それでは宝の持ち腐れと言えるだろう。
だったら最初からグリルケースの無いコンロを買えば安く済むし、壊れたら修理せずに交換するという判断もしやすいテーブルコンロは魅力的ではないだろうか。
関連記事ガスコンロで頻繁に魚を焼いているユーザーはグリルの劣化に注意しろ
おすすめのガステーブルコンロ
パロマ製 ラ・クック シェフ
見た目にも清潔感があって、掃除のしやすさも考慮されているのがパロマ製のラ・クック シェフだ。人によっては「ボディがホワイトなのにトッププレートがブラウンの2トーンカラーがちょっと…」と思うかもしれないが、汚れの目立つトッププレートに色が付いているのは良心設計のように思える。
グリルも付いてるし、煮物機能・炊飯機能・湯沸かし機能などの付加要素も充実していて、安く購入できるテーブルコンロの中でも性能は十分すぎると言っていい。
リンナイ製 HOWARO(ホワロ)
色にこだわりたいのなら、こちらは真っ白なデザインで統一されていて清潔感があるタイプのテーブルコンロだ。シンプルなツマミ操作タイプではあるが、左右のバーナーが標準火力(一般的なコンロは、片側のバーナーの火力が弱い仕様であることが多い)なので、同時に2つの作業を並行して行うという時も問題なくこなせるだろう。
そしてホームセンターなどで安く買えるガスコンロと価格帯がほとんど一緒であるのも魅力的な部分の1つだと思う。ホームセンターで安く購入できるテーブルコンロには、いかにも安そうな見た目をしたものが多いのに対し、これなら見た目のデザインでの安っぽさは微塵も感じられない。
ただし汚れは目立ってしまうから、こまめに掃除できる人でないと逆にみっともないルックスになってしまうかもしれないな。
リンナイ製 Vamo(バーモ)
コチラは一風変わったテーブルコンロだ。見た目が非常にスタイリッシュで、いわゆるホテルの厨房などのコンロを連想させるフォルムをしているが、まさにその通りの高性能と言っていい。
テーブルコンロよりもビルトインコンロに惹かれるユーザーが多い理由の1つに「見た目がカッコイイ」というシンプルな理由が挙げられるが、これなら見た目的にも洗練されていて無駄がないため、お世辞抜きにしてカッコイイと言えるだろう。
グリルが無い割に金額的にはやや高いというのが難点だが、料理のクオリティについては心配無用で、パラッとしたチャーハンなどを作れるほどの高火力が魅力だ。それでいてビルトインコンロよりも遥かに安く購入できるので「料理好きだから高性能なコンロじゃなきゃ嫌だ、でも予算はなるべく抑えたい」という人におすすめしたい。
最後に
我が家ではほぼ毎日のペースで魚を焼いているが、3年もすればグリルはボロボロになる。最初は電気で動作する魚焼き器を購入したが、個人的にはガスで焼いた方がふっくらして好みだったため、安いテーブルコンロを定期的に買い替える方向で落ち着いた。
最初は「掃除が手間」「デザインがカッコ悪い」などのマイナス要素が気になるかとも思ったが、最近のテーブルコンロは掃除しやすい設計の製品も少なくないし、デザインもカッコイイものが増えてきたように思う。
最近は1人暮らしなどでも無い限りビルトインコンロを使っている人がほとんどだが、少しでも予算を抑えたいという人はテーブルコンロを検討してみるのもいいと思うぞ。ぜひ、参考にしてくれ。