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石油給湯器の強制排気方式(FE式)と強制給排気方式(FF式)の違い

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石油給湯器の排気方式の違い 強制排気方式(FE式)と強制給排気方式(FF式)

すずき設備社長の鈴木だ。

石油給湯器ユーザーにとってもあまり悩む機会はないとは思うが、石油給湯器の区分には排気方式の違いという項目もある。「強制排気方式(FE式)と強制給排気方式(FF式)」というやつだな。

例えば「お湯張り機能の有無」などで機種選定をする場合は真剣に考えた方がいいんじゃないかと思うが、排気方式はどっちでもいいんじゃないかと思う。ただ、軽くでもいいから違いを知っておきたいというユーザーがいるかもしれないから、今回は「石油給湯器の強制排気方式(FE式)と強制給排気方式(FF式)の違い」について解説していこう。

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FE式とFF式の違い

FE式とFF式の違いに関する概要

FE式とFF式の違いは「強制的に排気だけを行うか、強制的に排気と給気を行うか」という違いである。燃焼には酸素が必要になるが、その酸素をどこから確保するかの違いだ。FE式は給湯器が設置されている空間から確保するし、FF式は外から確保する。

一部例外はあるものの、FF式の方が外の新鮮な空気を取り込めるという意味では燃焼に優しいような気がしなくもないが、近くに駐車場があれば車の排気ガスを吸う可能性もあるし、一概に「どっちが長持ちする」というような差はないだろう。

ちなみに見た目でも簡単に判断できるぞ。FE式は排気だけを行うから煙突が1本、FF式は給気と排気を行うから煙突が2本だ。給気側にはプラスチックで自由が利くジャバラが用いられているのが主流だ。

FE式とFF式の優劣について

ハッキリ言って給湯器の排気方式においてどちらが優秀と言うことはない。給湯器の選定で悩んでいるのであれば「機種ありきで悩むべき」だと思う。実は石油給湯器の場合、すべての機種にFE式とFF式が用意されているというわけではない。

機種によってはFE式がないなんてことはザラにあるから、排気方式を先に選ぶのではなく、機種を選んでから「この機種には〇〇式しかない」という展開があった時に、それに従うという感じで問題ないだろう。

もし両方の排気方式があるなら以前まで使っていたものを選ぶのが無難だし、初めての石油給湯器という場合はハッキリ言ってどっちでもいいと思うから、施工業者に相談してみることをおすすめする。

状況によって「〇〇式の方が望ましい」というケースはあるが、選んだ機種や設置状況に左右されるため、ここで一概に案内することは難しい。

FE式とFF式のシェアについて

単純にどっちの人気があるかということを考えると圧倒的にFF式だと思われる。というのは、壁掛けタイプの給湯器がFF式だからである。

床置きタイプの給湯器で考えたら、恐らくFE式の方が出回っているのではないかと思う。体感的には7:3くらいだろうか。貯湯タイプユーザーのほとんどがFE式だからこのような印象を持っているが、まぁどっちかに人気が偏っているということは無いだろう。

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FE式とFF式の変更工事について

ちなみに「今まではFE式を使っていたけど、新しく変えたい機種にFF式しかない」という場合は、FE式からFF式の排気筒が使えるように工事をする必要がある。この変更工事については、そこまで大袈裟な工事になることは少なくないだろう。

FE式とFF式を比べると、FE式の方が排気筒としての径が大きいため、FE式→FF式の場合は必要に応じて排気筒が出ている穴を埋めてやる必要があるし、その逆なら開口部を広げてやる必要がある。ここは施工業者がうまくやるだろうから、特にユーザーが気にすることはないはずだ。

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FE式、FF式のメリットとデメリット

メリットと呼べるほどのメリットではないが、FE式とFF式の大きな違いとして「本体にホコリが詰まるかどうか」という点が挙げられる。FE式は給湯器が設置されている空間から酸素を確保するため、給湯器の側面に設けられている吸気口部分にホコリが詰まるケースが多い。

ハッキリ言って、ここにホコリが詰まったからと言って酸欠になって故障したという現場は見たことがないし、家の中の空気と外の空気とで新鮮さに大きな違いが出るという現場もそんなにないだろう。

つまり排気方式の違いそのものは、機器寿命に影響しないというのが一般的な考えだ。ただし価格に関しては、FE式の方が安くなる傾向が強い。なんせ煙突が1本で済むわけだからな。排気筒トップ(家の外に出る部分)についてもFE式は本体に同梱されているのに対し、FF式は完全に別売りであるという点も大きい。

鈴木社長
鈴木社長

あくまで価格差が出るのは煙突だけであり、給湯器の本体そのものには価格差はあまりない。

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最後に

FE式とFF式はどちらでもOKだ。ただし、貯湯タイプの給湯器を選択する場合は「FF式だと減圧弁が内蔵されていない」などのイレギュラーなパターンもあるため、もしDIYで取り付けに挑戦しようと思っている等の場合は、注意した方がいいだろう。

それ以外であれば基本的には好きな方を選んでいい。ぜひ、参考にしてくれ。

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