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給湯器のエラーE140|温度ヒューズが切れることの意味

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給湯器のエラーE140 温度ヒューズが切れることの意味

すずき設備社長の鈴木だ。

給湯器の故障でよくあるエラーと言えばE140だ。内容は「過熱防止装置作動」といって、温度ヒューズが断線したというものによるエラーである。

この温度ヒューズというのは実にシンプルな部品なのだが、部品代の割りに作業料が高かったり、温度ヒューズだけの修理で済まないケースが多く、修理業者とユーザーとの間でトラブルに発展するケースも少なくない。

以下では「給湯器のエラーE140の内容と温度ヒューズが切れることの意味」について解説するので、ぜひ参考にしてほしい。

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給湯器のE140とは?

温度ヒューズ(安全装置)断線のエラー=E140

E140というのは給湯器に搭載されている安全装置の1つ、過熱防止装置作動のエラー番号だ。過熱防止装置とは一般的に温度ヒューズと呼ばれていて、火を近付けると熱で断線する仕組みを持ったヒューズである。

役割としては「給湯器のバーナーなどに穴が空いて万が一そこから火が出た場合、ヒューズが切れることで給湯器を強制的に停止させる」という役割を持っている。そのため火が付く部品でもあるバーナーや、水がお湯に変えられる熱交換器(熱くなる部品)に取り付けられていて、1つの機械に複数の温度ヒューズが搭載されている。

給湯器がE140が出す時は危険な状態?

  • 温度ヒューズが焼き切れてしまった場合
  • 温度ヒューズそのものが劣化した場合

温度ヒューズに限らず、安全装置が出すエラーの原因には「危険を防ぐための作動によるエラー/安全装置そのものが故障したエラー」の2種類がある。実は「給湯器が危険な状態で温度ヒューズが焼き切れる」ということはほとんどない。

冷静に考えてみるとよく分かるが、そんな頻繁にバーナーに穴が空いたりするような不安要素のある機械を誰が使いたいと思うだろうか。

一度、バーナーが溶けて出火寸前になった給湯器(メーカー名は伏せさせてもらう)を見たことがあるが、その時はメーカーもかなり大騒ぎになって温度ヒューズがどうこうなんて一言も言わずに無償で新品のボイラーと交換になったぞ。つまりE140が出る理由の大多数は「温度ヒューズそのものの故障」であることが挙げられる。

鈴木社長
鈴木社長

とは言っても経年劣化の場合は燃焼状態も良好とは言い難いだろうから、判断は非常に難しい部分でもある。

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温度ヒューズを巡るトラブルの一例

給湯器の温度ヒューズのエラー(E140)|業者に丸め込まれないように注意!

部品代が安いのに作業料が高い

温度ヒューズにも幾つかの種類があって物にもよるが、部品代自体は1000円~2000円程度の物が多い。しかしそれを交換するにあたって、出張料と作業料を合わせて10000円ほど発生することが多く、最初は「15000円くらいの修理になる」と言われて納得していたユーザーが、修理明細を見た瞬間に豹変するということもある。

「1000円程度の部品を交換して15000円も請求するなんてぼったくりじゃないのか?」というクレームは、決して珍しくない。実際にやってみれば分かると思うが、この温度ヒューズの交換というのはメーカーによって意外と難易度が高い作業である。

安全装置であるから適当な取り付け方は許されないし、場合によっては部品を全て取り外さないと交換できないということも起きるからだ。「部品が安いんだから取付料金も安いだろう」というのはユーザー側の勝手な思い込みであることが多いから注意してくれ。

温度ヒューズを幾つ交換するべきか

給湯器1台につき、複数の温度ヒューズが搭載されているケースが多い。このうち「バーナーに搭載されている温度ヒューズが壊れた」という場合、これを交換するだけに留めるのか、それとも熱交換器に搭載されている温度ヒューズも交換するべきか。これについても、割とトラブルに発展するケースは少なくない。

交換したら交換したで「まだ壊れていない物を交換するのか」というユーザーがいるし、交換しなかったらしなかったで、後々別の温度ヒューズが壊れた際にトラブルになるからである。弊社ではしっかりとユーザーに説明して、自分ならどの方法を勧めるかという考えを添えて最終的にはユーザーの判断に従うようにしている。

しかしそこまで徹底していても、いざとなったら「聞いていない、そんなことを言った覚えはない」というユーザーが一定数いるのも事実だ。彼らが本当に覚えていないのか、覚えているけどごねているだけなのかは知らないが、もし前者だとしたらちゃんと業者から説明を受けたのに忘れているユーザーも少なくないと思うので注意して欲しい。

温度ヒューズのE140は高額修理に話を持って行きやすい

温度ヒューズは安全装置という本来の働きもそうだが、基本的には「年数の経過した給湯器でよく壊れやすい」という特徴を持っているため、それらしいことが言えるという側面もある。例えばエラーE140の説明を受けて「燃焼状態が良くないから大掛かりな修理が必要だ」と説明を受けたら、多くのユーザーがそうなのだと思うしかないだろう。

実際には確かに燃焼状態が良くないケースも無いわけでは無いが、単にヒューズが劣化して抵抗値不良を起こしているだけのケースも少なくない。しかしそれを正確に判断する術はユーザー側にとっては無いのが現状だ。

個人的には温度ヒューズを交換するだけで十分だと思うケースは非常に多いのだが、実際に修理するのはメーカーの専属業者であり、その修理業者の判断によって多くの高額修理に繋がっている。

ここからは弊社の勝手な想像だが、温度ヒューズの交換は作業料が高いと言ってクレームに発展しているという側面がありながらも、実際に修理する側からすると「これでも安いし、割に合わない」と感じる内容なのではないかと思う。だから「どうせ修理になるなら、少しでも高額な修理にしたい」という感情が働くのではないだろうか。

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最後に

温度ヒューズの不具合は、高額修理に繋がるケースが実に多い。実際に高額修理が必要なケースもあるから何とも言えないが、基本的に給湯器の修理はメーカーしかできないことになっているため、他の業者に頼むということも難しいだろう。

せいぜい社内で別の人間をよこしてもらうくらいしかできないし、そこで口裏を合わせられてしまったら意味が無い。

温度ヒューズで高額修理になった場合は、なぜ高額になるのかの明確な理由を紙に書いてもらい、そういうことがあるのかどうかを他の業者に相談してみてもいいだろう。弊社のような弱小設備屋でも、そういう相談はいつでも承っている。ぜひ、参考にしてくれ。