すずき設備社長の鈴木だ。
ガスコンロを使用していて『火を付けようとしたら「ピー」と音が鳴って使用できない』という修理依頼は多い。
これは何かしらのエラーが出ている合図であることが多いが、今回は「ガスコンロでピー音が発生して使用できない場合のアドバイス」を書いていこうと思う。
ガスコンロでピー音が発生して使用できない時
ピー音が鳴ったらグリル部の表示パネルをチェック
ピー音が鳴る時、大半のガスコンロにはグリル操作部にタイマーなどを設定できるパネルがあると思うが、ここにエラーが表示されることが多い。そのエラーが何なのかを見ることで、不具合の概要を知ることができるだろう。
もちろんエラーの内容は各メーカーによって異なるから、それぞれ取扱説明書を見て調べて欲しいのだが、リンナイ製のガスコンロを例にすると以下のような感じだ。
ガスコンロ|エラーコード02 が表示
下記のいずれかの機能が働いています。
- 焦げつき消火機能
- 調理油過熱防止機能
- 空焚き防止機能
- 炊飯ハイカット機能
- グリル過熱防止機能
点火ボタンを元の位置に戻してください。機器が冷めてから再度点火ボタンを押して点火するか確認してください。点火して間もなくエラー02が表示される場合は器具の故障の可能性があります。
【エラーの場所について】(ガスコンロ共通)
交互に表示される数字はエラーが起きている場所を表しています。
「-1」・・・標準バーナー
「-2」・・・小バーナー(ビルトインコンロの場合)
「-3」・・・強火力バーナー
「-5」・・・グリル
ちなみに操作パネルが搭載されていないテーブルコンロ等の場合、電池切れをお知らせしてくれるランプの点滅の仕方などでエラーを示唆しているケースもある。
いずれにしてもピー音はエラーが出ている可能性が高く、その内容を知ることで解決に繋がるかもしれないから、気になる人はチェックしてみるといいだろう。
ピー音の出るタイミングに注目
続いて重要なのが「ピー音が出るタイミング」だ。火を付けようとした瞬間に鳴るというケースもあれば、火は付くんだけど維持できないというケースもある。
例えば「火が全く付かずに最初からピー音」という症状であれば、極端な話「ガスメーターがエラーを出して止まっているような状態でも同じようになる」と言うことが言える。
詳しくは後述していくが、どのタイミングでピー音が鳴るか。もっと言えば「どのバーナーを使用した時にピー音が鳴るか」を含め、修理依頼をするときに相談してもらえると、早急に対応できる可能性が高くなっていくだろう。
試してみる価値のある改善策と応急処置
ピー音の正体が「基板のエラー、電磁弁のエラー」などの場合は、ユーザーがあれこれ頑張っても改善できない場合がほとんどだから、黙って修理業者を手配した方が早い。
一方で「なんだ、そんなことだったのか」という内容で、自分でも対応できたのにと後悔してしまうケースもあるだろう。その最たる例が電池切れだったりするのだが、以下では「ピー音が鳴った時に試してみる価値のある改善策と応急処置」について紹介しよう。
電池の確認
まずは電池の残量を確認してほしい。「電池が無いなら操作パネルも表示されないのでは?」と思うかも知れないが、ここは基本的な部分だから注意しておくに越したことはないだろう。
電池を交換しろとは言わないまでも、少なくとも「点火動作をした時に、バーナー付近の点火プラグからパチパチ音を立てて火花が飛んでいるかどうか」のチェックはしてほしい。
ガスコンロのカチカチ音が鳴らずに火が付かない場合の原因と対処法
燃料の確認
電池残量の次に確認したいのが燃料の確認だ。ガスコンロ内の電磁弁が故障で開かず、ガスを供給できないせいでエラーを出している可能性もあるが、まずは「ガスコンロまでは正常にガスがきている」ということを確認したい。
ガスメーターを確認してもらうでもいいし、もしガス給湯器を使用している家庭であれば給湯器が正常に動作するかどうかを確認してもいい。あとはガスの元栓が閉じていないことをチェックして、問題が無ければガスコンロまではガスが来ているという認識でいいだろう。
点火プラグから火花が飛んでいるかどうか
電池残量の部分と重複するが、点火しようとした際に点火プラグからちゃんと火花が飛んでいるかどうかも重要だ。
もし火花が飛んでいないのなら、「電池残量不足、点火プラグ不具合」などが考えられるが、単純に「バーナーキャップがしっかりハマっていない、点火プラグ付近にゴミが付着している」というケースも考えられるため、バーナーキャップを一旦外して装着し直したり、点火プラグ付近を乾いたブラシでサッと掃除をするだけで改善する可能性もある。
サーミスタの劣化、故障
あとは「サーミスタの故障」も多い。上記画像の赤丸部分のパーツなのだが、鍋やフライパンを乗せると下がり、何も乗せていない時は伸びている部品である。
これが新品の時は、軽く手で押してもスッとスムーズに上下するのに対し、日頃の吹きこぼしなどが原因で徐々に劣化してくると、この上下運動がスムーズにいかなくなってくることがある。
もし指で押して1番上まで戻ってこないという場合、「何も乗せていないのに、ガスコンロ本体の方では『何かが中途半端に乗っている』と判断し、火が付かない」ということが起きるケースがある。
サーミスタそのものがコンロ内部で断線していたり、あるいは完全に抵抗値不良を引き起こしている場合は部品交換する他ないが、もしこのような症状で全口付かないという場合は、調子が悪いサーミスタ部分を目いっぱい引き上げて、その他のバーナーが使用できるかどうかを試してみよう。
最後に
もしピー音の原因が安全装置にある場合、悪いのは1箇所でも全ての箇所で火が付かなくなることも考えられるため、サーミスタの動きがスムーズじゃない場合に「目いっぱい上に上げてみてどうなるか」は試してみる価値のある応急処置だと思う。ぜひ、参考にしてくれ。