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石油給湯器のエコタイプ「エコフィール」のメリット・デメリット

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石油給湯器のエコタイプ「エコフィール」のメリット・デメリット

すずき設備社長の鈴木だ。

最近はオール電化やエコに対する注目度が高まってきている。特にエコジョーズ(エコタイプのガス給湯器)の伸びは圧巻の一言だ。新築現場では電気温水器やエコキュート、エネファームを採用する家庭も増えてきたし、十数年前と比べると間違いなくユーザーにとっては選択肢が増えていると言っていい。

そして石油給湯器ユーザーにとって気になるのは高効率石油給湯器「エコフィール」と言っていいだろう。ちなみにエコフィールの場合はエコジョーズほど普及していないという事実がある。そこで今回は石油給湯器のエコタイプ「エコフィールのメリット・デメリット」について分かりやすく説明していく。

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高効率型石油給湯器:エコフィールとは?

エコ○○について

最近「エコ〇〇」という給湯器の種類が増えてきた。これらの多くは燃費が良いエコタイプの給湯器であり、ガス給湯器はエコジョーズ、石油給湯器はエコフィールと呼ばれる。

ちなみにエコキュートという名前を聞いたことがあるかもしれないが、あれは全くの別物だ。エコキュートはどちらかと言えば給湯器と言うよりも電気温水器に近い。

エコフィールの仕組み

コロナ エコフィールの仕組み

なぜエコフィールの燃費が良いのかという話を簡単にしておこう。簡単に言うと「今まで捨ててた排気を、更に熱交換に利用してから捨てよう」という仕組みにしたのが高効率ボイラーだ。

従来型の煙突から出される排気ガスは約200℃で非常に熱い。煙突を手で触ったり、排気に対してずっと手をかざしていると火傷をしてしまうレベルだ。しかしそんな火傷をしてしまうような200℃もの気体なら「そのまま捨てずに水を温めるのに使えるんじゃないか?」というのがエコの試みである。

鈴木社長
鈴木社長

そのためエコフィールの煙突は触ってもぬるいことが多く、今までのように火傷しそうなほど熱いことはない(だからと言って不用意に触らないでくれ)。

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エコフィールを利用するメリット

燃費効率が良い(灯油代の負担が軽減する)

コロナ エコフィールの仕組み

コロナのホームページから引っ張ってきた資料によると、年間で約6700円ほどの灯油料金が浮く計算らしい。ただし色んな状況が噛み合って算出された数字であるし、そもそもの灯油消費量が少なければ節約できる量も少なくなるためユーザー全員がこうなるわけではない。

ちなみにエコジョーズの場合だと、各メーカーが1万円以上の金額を節約できると算出している。元々「ガス代>灯油代」という現状があるからガスの方が節約の効果が大きいというのは理解できるものの、両者を比較するとエコフィールの効果はやや物足りない

これまでは石油給湯器の方が燃費が良かったが、いよいよコストパフォーマンス面において石油給湯器とガス給湯器が逆転する日も近いかもしれないな。

二酸化炭素の排出量が少なく、自然に優しい

排気を取り込んで効率を良くしたため、トータル的な燃焼時間が大幅に削減され、結果として二酸化炭素の削減効果もあるようだ。コロナのホームページに書いてある情報によると、1年間で約200kgの二酸化炭素が削減できるらしい。

今の日本にどれだけ自然のことを考えている人がいるかについては不明だが、いずれは自分たちの首を絞める問題にも繋がっていくし、エコの風潮はもっと強くなっていくだろう。

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エコフィールのデメリット

エコフィールの本体価格が高い

ハッキリ言ってガス給湯器ほど安く購入できないのが石油給湯器なのだが、しかもエコになったからと言って節約できる金額の目安も年間で約7000円ときた。これは10年使ったと仮定しても、従来型の給湯器との金額差が7万円以上だったら損をする計算になってしまう。

というか、損得勘定でエコフィールを取り付けるのはあまり上手くない。ハッキリ言って従来型よりも高い金額がかかるため、金額的に得をしようと思っているのであれば下手すると従来型の方が安く済むんじゃないかとさえ思っている。

鈴木社長
鈴木社長

最近は従来型とエコフィールの価格差が大きく縮まり、本体価格だけに注目するとそこまでの価格差はなくなった。カタログに掲載されている金額はそこそこ差があるが、値引き後の金額差はそこまで気にならないだろう。

エコフィールを施工するのに費用が掛かる

エコタイプにはエコタイプ専用の排気筒がある。一定条件下では従来型の排気筒を使うことも許されているが、もしエコタイプ専用の排気筒を施工するとなれば排気筒本体価格が10000円~15000円くらい高くなる

それからエコタイプの給湯器には、ドレン配管と呼ばれる配管を1本増やさないとならない。もし屋内タイプであれば、家の床に穴を開けて床下で排水管と繋げなくてはならないだろう。従来型の給湯器ならただ本体を入れ替えるだけでも問題ないが、従来型からエコタイプに移行する場合は別途工事が必要だ。

鈴木社長
鈴木社長

雪国の場合は専用の排気筒を使わなければならないケースがあるから、事前に施工業者に確認するといい。エコフィールに興味があるなら、従来型とエコフィールの2パターンで考えてみるのがおすすめだ。

従来型に比べて修理費用が掛かる

これについてはエコフィールがどうこうというよりも「新しい給湯器、複雑で便利になってきた給湯器に多い傾向」と言うべきかもしれないが、機械は便利になればなるほど複雑化していく。つまりシンプルな機会に比べて、予期せぬ不具合が起こる可能性が高いという言い方もできるだろう。

従来型には搭載されていない部品が壊れることもあるし、もしそうなれば「従来型だったら修理の必要がなかった」と言うこともできる。

それからエコフィールには中和器という部品が搭載されており、これは一定時間使用することで必ず交換が必要になる。年間7千円ほどの灯油が節約できるということだったが、この中和器の交換で15000円程度の修理費用が発生するため、燃費で得できるかどうかというのがいよいよ怪しくなってきたと言えるだろう。

鈴木社長
鈴木社長

中和器は一定時間使用すると交換が必要になるが、大体6年目以降に交換になることが多い。頻繁に交換する必要が無い物とは言え、エコフィールを10年使用しようと思ったら確実に交換が必要になるということは覚えておこう。

高効率給湯器(エコタイプの給湯器)が出すエラー920と930の厄介さ

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最後に

弊社では今のところ、基本的にエコフィールはおすすめしていない。もちろん商品に対する説明はするが好意的な説明はしていないし、多くのユーザーが従来型もしくはガスへの乗り換えをしている。

メーカーは「年間7000円ほど灯油の節約ができる」という謳い文句で誘ってくるかもしれないが、そんないいことばかりではない。もちろん灯油価格が高くなるほど恩恵は大きくなるから、もしかしたらエコフィールの方が良くなる時代が近くまで来ているかもしれないが…。ぜひ、参考にしてくれ。