PR

ガス種を間違えるとガスコンロは使えない?

スポンサーリンク
ガス種を間違えるとコンロは使えない? ガスには都市ガスとプロパンがある

すずき設備社長の鈴木だ。

毎年春になると、新生活を始める人たちが間違ったガスコンロを購入して「新品のガスコンロなのに使えない!」という修理依頼が相次ぐ。

相次ぐというのは言い過ぎかもしれないが、わりと珍しくないレベルで修理依頼があるので、一般ユーザーの中にも「ガスに種類がある」ということを知らない人は想像以上にいるのかもしれない。

ガスには大きく分けて2種類「都市ガスとプロパンガス」が存在するため、それぞれに対応したガスコンロを選ばなければならないのだが、意外とこれを知らないユーザーが少なくないのだ。

以下では「ガス種を間違えるとガスコンロは使えないかどうか」について解説するので、ぜひ参考にしてほしい。

スポンサーリンク

ガス種を間違えるとガスコンロは使えない?

ガスコンロにおけるガス種の間違いは使用不可

結論から言うと、ガス種を間違ってしまった場合は使用不可だ。厳密には一応火は付くのだが正常とは言い難い形状の炎になり、ガスコンロに大きな負担が掛かるだろう。まして本来よりも長い炎になったら、使用するのも危ないから絶対に辞めた方がいい。火事につながってしまうようなことは絶対に避けないといけないからな。

ガス種には都市ガスとプロパンガスの2種類があり、田舎に行くと都市ガスが通っていないということも珍しくない為、こういう場合はプロパンしか選択肢がない。あとは都市ガスが通っていても、ちょっとしたアパートなんかではプロパンの方が多いというイメージだ。

都市ガス(12A、13A)とLPガス(プロパンガス)の違い

  • 公共料金か、自由料金か
  • 空気より軽いか、空気より重いか
  • 熱量が低いか、熱量が高いか

公共料金か、自由料金か

ガス料金と言われると公共料金のような気もするが、都市ガスは公共料金、LPガスは自由料金という明確な違いがある。何が違うかというと、大雑把に言えば「ガス会社が料金を勝手に決められるか、決められないかの違い」と思っていい。

LPガスを提供しているガス会社は複数あり、それぞれが自由に価格を設定している。つまり今まで自分が払っていたガス料金が実は高くて、別のガス会社にお願いしていたらかなり安く済んでいたなんてことは珍しくとも何ともない。

都市ガスは天然ガスで政府の認可によって価格が決まる。ゆえに地域差や大幅な価格変動は起こりにくい。一方のLPガスは石油を原料にして作られるガスの為、石油料金によって価格が大きく変動する。

鈴木社長
鈴木社長

昔ほどではないにしても「比較的安いのが都市ガス、高いのがLPガス」という認識でもいいだろう。

空気より軽いか、空気より重いか

都市ガスは空気より軽く、LPガスは空気より重い。ガス漏れした場合に、ガスがどこに滞留するかというのもそうだが、ガスの重さが違うということは、当然ながらガスコンロの構造も変わってくると言えるだろう。

筆者がまだ住設業界に足を踏み入れたばかりの頃は、プロパンとヘリウムがごちゃごちゃになって、プロパンの方が空気よりも軽いという勘違いをしていた。読者の方々はそのような勘違いをしないように注意してくれ。

熱量が低いか、熱量が高いか

都市ガスよりも、LPガスの方が熱量が高い。都市ガス用のガスコンロにLPガスを繋ぐと、なんだか細長くて頼りない炎のカタチになる。炎の色も綺麗な青ではなく、少し黒みがかった赤色になることが多い。

これをやってしまうと、火の形状が安定しないために火事になってしまうリスクは当然として、不完全燃焼による一酸化炭素中毒なども懸念されるから絶対にやめてくれ。

なぜLPガスが高いか

これまでずっと都市ガスの通っていた家に住んでいた人が、ある時からプロパンガスを使用し始めたという場合、あまりにものガス料金の違いに驚いたという人は多いと思う。それもそのはず、都市ガス料金と比較するとLPガスの料金は極めて高い。

これの理由として、都市ガスの場合はガスメーターより先は住人が工事費を負担するのに対し、LPガスはガス会社が工事費を負担する。そしてLPガス会社は、この時の費用をガス料金に上乗せして請求するということをするため、ガス料金が高くなりやすいと言われているな。

それにわざわざあんなに重たいボンベを運ぶのにも手間が掛かっているし、LPガスが料金的に高いというのは仕方ないだろう。あとは上の方でも書いたように「都市ガスは公共料金、LPガスは自由料金」ということが挙げられる。

2017年に都市ガスの自由化が始まったことで、LPガスの料金に興味を持つユーザーも増えたが、実は「今まで頼んでいた業者Aよりも、業者Bの方がガス料金が安い」なんてことは普通にある。「LP=高い」ということで諦めるのではなく、その地域で安いガス会社はないのか探してみると、もしかしたら幸せになれるかもしれないぞ。

スポンサーリンク

ガス種を間違ったら?→修理でガス種の変更は可能

チェック、ポイント

熱変作業すればガス種の変更は可能

では間違ったガス種用のガスコンロを購入してしまった場合だが、一応修理することで都市ガス用からプロパンガス用へ、プロパンガス用から都市ガス用への変更は可能だ。ただし新品とは言っても保証対象外であるから、修理費用はユーザー負担となる。

さらに修理金額も数千円で済むようなものではない為、ハッキリ言って「5万円以内で買えるようなガスコンロであれば、今度は間違わないように新品を買い直した方がいいのでは?」とも思う。ちなみにこれは熱変と呼ばれる作業で、ガスノズル等の「都市ガス用とプロパン用で一部異なる部品を交換する」という作業になる。

熱変作業は有料かつ高額な修理

熱変作業自体はそこまで厄介ではないのだが、メーカーの意向で高めの作業料金が設定されているため、10万円以上するガスコンロならやる価値はあるだろうが、それ以下なら間違ったものをリサイクルショップに持って行って、それを元手にして新しい物を買った方が被害は少なくて済むだろう。

ちなみに弊社では「調理学校等で大量のビルトインコンロを設置し、そのすべてでガス種を間違った」という場合や「家庭用でも15万円以上するビルトインコンロを間違って購入した」という場合に、この熱変作業を請け負うことが多い。

鈴木社長
鈴木社長

機種によって熱変作業の金額は変わるから、どうしても買い直ししたくない場合は事前にメーカーに問い合わせてみることをおすすめする。

スポンサーリンク

ガス種以外にも注意してもらいたい点

注意

ちなみに余談ではあるが、ガス種以外にもガスコンロを購入する時に注意してもらいたいことがある。それは高火力バーナーの位置だ。

ガスコンロは通常2口か3口のバーナーが搭載されており、3口の場合は1番奥が明らかに小さいから火力が小さいことは分かるだろうが、実は左右のバーナーも火力差が設けられているパターンが多い。

これは壁と反対側が高火力バーナーになるのが正しい選び方だ。ガスコンロは壁とシンクの間に設置することがほとんどだが、壁が左でキッチンが右なら右を高火力バーナーにするのが正しい選択である。

まぁコレに関してはガス種と違って「間違ってもそこまで大きな実害はない」のだが、間違った場合に多くの人が少し不便に感じてしまうだろうから、ちゃんと選ぶことをおすすめする。

ガスコンロの左右のバーナーは火力が違う!壁に遠い方が高火力

スポンサーリンク

最後に

ガス種の間違いは非常に厄介な問題だ。基本的にちゃんとした店(ガス器具の取り扱いを専門に行っているような店)なら事前説明をしっかりしてくれるだろうが、家電量販店やホームセンターなんかだと怪しいな。

そういう場合は店のどこかに小さく「お客様のミスによる返品は認めません」等と書かれているケースが多いだろうが、一応店舗に確認してみることをおすすめする。そして3万円以下のガスコンロなら、熱変などせずに新しい物を購入した方がいいかもしれない。ぜひ、参考にしてくれ。