暖房ボイラーの不凍液を交換しなければならない理由について

すずき設備社長の鈴木だ。

毎年冬シーズンになると、不凍液販売希望をするユーザーが後を絶たない。

これ自体は別に何も問題は無いのだが、中には「足しているだけじゃダメだ」ということを知らないユーザーもいるのだ。

基本的に不凍液を足すばかりだと、元々の不凍液はどんどん劣化していくわけだから、この状態で使用するのはうまくない。

今回は「なぜ暖房ボイラーの不凍液を交換しなければならないのか」について解説していく。

不凍液とは?

不凍液とは、暖房機~家の中の配管をグルグル循環している液を指す。

上記画像はサンポット製で緑色だが、物によって黄色だったりピンクだったりする。そして、それらは「混ぜるな危険」だから注意してくれ。

暖房機で温められた熱い不凍液が、家の中の床暖やパネルヒーター、ファンコンなどを循環して暖房として機能するわけだ。

理屈で言えば不凍液じゃなくて水でも似たような効果は得られるが、もし水を使用すると暖房ボイラーが停止してしまったら水が凍って凍結破損してしまうし、熱伝導率も悪くてコストパフォーマンスも落ちるだろう。

不凍液が持つ特徴

不凍液には「凍らない」「配管を腐食させない」という特徴があるが、これらは経年劣化することで、その特性が徐々に失われていく。

つまり、経年劣化しまくった不凍液は凍る可能性もあれば、配管を腐らせてしまう可能性もあるというわけだ。

酷い時には不凍液そのものの色が丸っきり別の色に変わっている可能性もある。

そういう状況だと、機器内の配管やポンプなどが腐食して漏水などしてくることも多いだろう。

暖房ボイラーのメンテナンス

不凍液を追加する

配管状況によっては、ユーザーが不凍液を足さなければならないという場合もある。

これはシーズンオフ中に給湯器内の不凍液が徐々に減っていき、実際に使用するとなったときに不凍液量が足りなければエラーを出してしまうからだ。

この場合は「既に使用している不凍液と同じ種類のものを追加」してやるだけでいい。

ただし、元々の不凍液の質があまりにも低下している場合は、足すだけじゃなくて交換してやった方がいいだろう。

不凍液を交換する

「なぜ不凍液を交換する必要があるのか」と言うと、足すだけじゃ古いものはずっと古いままだからである。

劣化している大量の不凍液の中に新しい不凍液を少し追加したところで、濃度的には少しマシになるかもしれないが、基本的には古い不凍液のままだ。

古い不凍液は凍る可能性もあるし、配管を腐らせてしまう可能性もあるし、熱伝導も落ちるから燃費も低下するだろう。

機械の中の部品が腐食して中から不凍液が漏れてくるだけならまだいい。

これが「床暖房配管に穴が空き、床下で不凍液が漏れている」なんてことになったら、床をひっぺがして修理しなくてはならないかもしれない。

そうなったら数万円の修理じゃ済まないから、できればメンテナンスとして不凍液の交換も検討するべきだ。

不凍液の交換について

どれくらいで交換が必要なのか

一応これについては取扱説明書に小さく記載されているのだが、メーカーが推奨しているのは3年サイクルでの交換らしい。

ただ、俺が知る限りでは3年で交換しているユーザーは非常に少なく、ほとんどいないと言ってもいいくらいだ。

暖房機の寿命が7年~10年で考えると、ちょうど折り返し地点に該当する4年~5年あたりで交換するのが理想と言えるだろう。

かかる費用はどれくらいなのか

不凍液の交換費用についてだが、これはハッキリ言って「現場状況による」としか言えない。

床暖房なのかパネルヒーターなのかファンコンなのか…。暖房端末が何かによっても変わってくるし、単純に数が多ければそれだけ必要な不凍液量も増えて手間も増えるからだ。

ただし不凍液自体は10Lで5000円~10000円くらいのため、一般的な家庭だと最低でも20Lくらいは必要になることが多いな。

1階と2階にパネルヒーターが10台設置されていて、不凍液を40L使用した場合、費用としては大体40000円~50000円くらいになるんじゃないかと思う。

最後に

不凍液は交換するのにもお金が掛かるし、実際にやろうと思っても後回しにしてしまいがちな部分である。

ただ、数万円をケチったために暖房配管を腐食させてしまっては元も子もない。

少なくとも4年か5年で新しいものに入れ替えた方がいいだろう。ぜひ、参考にしてくれ。