すずき設備社長の鈴木だ。
給湯器の交換を検討しているユーザーは「少しでも安い業者」を探していて、基本的には複数社の中から1社を選んでいるという人が多い。筆者もそれが正しい検討の仕方だと思っている。
しかしユーザーによっては「いろんな業者から見積もりをもらって比較する相見積もり=失礼」と捉えている人もいるようだ。…が、施工業者の立場から言わせてもらうと全然気にしなくていい。
そこで今回は相見積もりは絶対にするべきだし、それは業者に対して全く失礼に当たらないというテーマで進めていこうと思う。
給湯器の交換は複数社から見積もりをもらうべき
複数社を比べなければ給湯器の価格相場が見えない
給湯器の本体価格は形式上になっていることが多く、はっきり言って「あってないようなもの」である。お湯張り・追い炊き機能付きの一般的なガス給湯器も、カタログに掲載されている時点では30万円~40万円することになっているものが多い。
ただしここから大幅な値引きがある。値引額は業者によるが半額以下になることは珍しくないし、場合によっては80%ほどの値引きがあったりもするため、住宅設備業界に知識が無い人ほど複数社を見て検討してもらいたい。
給湯器の定価はただの見せかけだったりするから注意してくれ。
見積書には価格以外にも見えるものがある
- 給湯器本体以外にどこまで作業をしてくれるのか
- 納期や作業日時
- 作業員の人となり
給湯器は本体を買って終わりではなく、取り付けてお湯が使えるようにしてもらわなくてはならない。だからこそ施工業者の技術力なんかも重要になってくるのだが、さすがにそれを見抜くのは難しいだろう。
しかしいい加減な仕事をする業者は、それまでの経過でほころびを見せることも少なくない。例えば業者Aが煙突費用を計上しているのに対し、業者Bが煙突費用を計上していなければどうだろうか。この時に業者Bが金額的に安かったとしても「本来交換しなければならない煙突を交換しないから安いだけなのでは?」となるだろう。
見積書は金額以外にも見えるものがあるから、ぜひ複数社から手配してもらうといいぞ。
見積もりを頼んですぐに用意してくれる業者かどうかも判断基準だし、何より「その人を信頼できそうか」というのも重要ポイントだ。
他と比べると言われて気分が悪いことは一切ない
どの業界にも言えることだろうが、他と比較・検討されて嫌な気分になることってあるのだろうか。筆者は設備関連の仕事をずっとしてきているが、他業者と比較されて嫌な気持ちになったことは一切ない。
むしろその場で即決され、取り付け作業が終わって数日後に「他の業者の方が安かった」とクレームを言われたことが一度だけあるため、ちゃんと比較・検討してもらいたいと思っているくらいだ。
それに最初から他業者と比べられることが分かっているなら、下手な小細工はなしで価格を提示できるから分かりやすくてむしろありがたいとすら感じるぞ。筆者としては「相見積もりで検討します」くらい言ってもらえたほうがいいと思っている。
他業者の影がない場合は「さらに値引き」をチラつかせたりもする(あえて最初は限界まで値引かない)が、他業者と比較されるのが分かっていればそんな小細工をするのはマイナスでしかないから、お互いに話が早いと思うぞ。
相見積もりによって大幅に安くなる可能性がある
地域密着型の商売をしている業者であれば「他店より1円でも高ければお申し付けください」と謳っている業者も少なくない。そういう所に最安の見積書を持っていくと、それより安くやってくれる可能性がある。
はっきり言って設備屋をやっている弊社としても、どこの業者がどれくらいで給湯器交換をやっているかは詳しく分かっていない。たまに折り込みチラシが入ってきたりするが、あれは施工費用なんかをうやむやにしているケースが多く、あまり参考にならないからな。
そういう意味でも色んな業者から見積もりをもらい、最終的に地域密着型で価格競争に名乗りを挙げている業者に相談してみるのも一つだろう。
見積もりを依頼する段階でその業者に「この見積もりを他の業者に見せてもいいですか?」くらいのスタンスでも問題ないと思うぞ。実際にそういうユーザーもいるし、そういうユーザーに対しては下手な駆け引きなしに金額提示しているからな。
最後に
給湯器を交換する時はお湯が使えていない時が多く、ユーザーの中に「一刻も早くお湯が使いたい」という焦りがあることが多い。損をしたくなければこんな時こそ複数の業者を比較・検討すべきだ。
相見積もりどうこうは業者に対して失礼ってことはないし、お互いに無駄な手間が省けてwin-winと言ってもいいだろう。ぜひ、参考にしてくれ。