ガスコンロが全部つかない、全口つかない時の対処法

すずき設備社長の鈴木だ。

最近のガスコンロは火が付く箇所が2ヶ所以上ある製品が多く、仮に片方の火が付かなくても片方が生きていれば何とかなることが多い。ただし「全部の火がつかない、全口火がつかない」という依頼も少なくない。

部品の故障であれば修理が必要になるが、中には「こんな簡単なことで改善するのか」と思えるケースもあるため、本記事ではガスコンロが全部つかない、全口つかない時の対処法と考えられる故障内容について紹介する。

ガスコンロが全口つかない時に確認したいこと

ガスコンロは点火スイッチを押したときに「カチカチ」または「チチチ」と音を立てる。まずはこの音が確認できるかどうかが重要だ。

この音が確認できない場合はほぼ間違いなく、点火源の火花が飛んでいないから火がつかないということになる。単純な部分で言えば電池切れが怪しい。電池式じゃなくてコンセント給電の場合は、その部分のブレーカーが作動していないかどうかを確認してみるといいだろう。

オーエ(Ohe)

ポチップ

カチカチ音が確認出来たら、今度は火花が正しく飛んでいるかどうかを確認しよう。ハッキリ言って全口で火花が変な方向に飛ぶとは考えにくいのだが、点火プラグ付近に吹きこぼしなどがあればその可能性も無くはない。

ゴミが付着していたり汚れがある場合、乾いたブラシなどで擦ってやるといい。あまり力を入れすぎると点火プラグが破損する可能性があるから注意してくれ。

火花が飛んでいない場合は、点火系の不具合か基板の不具合である可能性が高い。単にスパーカー(火花を飛ばす装置)が悪いだけなら、応急的にコンロを使用することも可能だ。

ちなみにこの場合は、点火スイッチを押したタイミング(器具栓タイプなら押し回したタイミング)に合わせてチャッカマンを近づければ使用できる可能性があるから、どうしてもコンロが使いたいなら試してみる価値はあるぞ。

火花が正常に飛んでいるのに火がつかないのであれば、ガスが供給されていない可能性が非常に高い。ガスコンロ内のガス電磁弁が開いてない場合もあるが、修理業者を呼ぶ前にガスコンロまでガスが来ていない可能性は消しておくべきだろう。

というわけでガスコンロの元栓、そしてガスメーターがエラーを出していないかは確認しておくべきだ。ガスコンロの元栓は通常、ガスコンロ付近にあることが多く、ガスメーターは屋外にあることが多い。

鈴木社長

もしガス給湯器を使用しているなら、ガス給湯器が動くかどうかも大きな判断基準だ。ガスコンロとガス給湯器が同時に故障するとは考えにくいから、この場合はガスの供給源に何かあったと考えるのがセオリーだろう。

ガスメーターや元栓に問題がなく、ガスコンロの手前までガスが来ているという場合は「ガスコンロ内の電磁弁が開いていない」可能性が高い。この部品が開かなければ、点火スイッチを押してもガスが噴出されないからだ。

ちなみにガスコンロは点火スイッチを押して(器具栓タイプの場合は押し回して)、そこで耳を澄ますとシューというガスが噴出される音が聞こえる。これが聞こえないなら十中八九、ガスが噴出されていないのが原因だろう。

ガスが噴出されていない場合は、大きく分けて以下の3点が考えられる。

全部の箇所の火がつかないということだから、ノズル詰まりは少し考えにくい。よって電磁弁か基板が怪しいということになる。

Iwatani

ポチップ

いくらガスコンロに複数のバーナーが搭載されていると言っても、核となる基板や電磁弁が故障してしまっては全く使用できなくなってしまう。そんな時のためにカセットコンロを一台持っておくといい。

弊社では今、上記の薄型コンロをおすすめしている。普段は邪魔にならないサイズだし、災害時なんかも重宝すること間違いなしで、価格的にもリーズナブルだから持っておいて損はしないだろう。

「ガスコンロが全部つかない、全口つかない」という依頼は少なくないが、電磁弁が悪いケースが最も多い。次いで基板という感じだが、ガスメーターでエラーが起きていたというケースも少なくないぞ。

電池がないとかガスがメーターで止まっていたという初歩的なことで出張料を取られないよう、最低限のことを確認してみるといい。ぜひ、参考にしてくれ。