すずき設備社長の鈴木だ。
初めに断っておくと「お金が有り余っていて、別に料金が安いということに対して魅力を感じない」というリッチなユーザーは、この記事はスルーしてくれ。あくまで「給湯器の修理で業者を呼んだときに、自分が思っていた以上にお金が高いと文句や小言を言ってしまう」というような、無駄な出費が嫌いな人に向けた記事だ。
この業界で仕事をしている人にとっては当たり前の話だし、どこの業界にも似たような話があると思うからあえて言う必要はないと思っていたのだが、意外とこいつを知らない一般の人が多いらしい…。というわけで今回は「給湯器が故障した時にハウスメーカーに連絡をするのは愚行」というテーマで進めて行こうと思う。
給湯器が故障した時、どこに連絡するか
給湯器が故障したら、読者はどこに連絡をするだろうか。最近は給湯器のメーカーに直接連絡をするという人が大多数じゃないかと思うが、中には「ハウスメーカー、地元の水道屋、ガス屋」という選択肢を取る人もいるだろう。
実はここでどこに連絡をしようが結果は関係なく、実際に修理をするのはメーカーサービスの人間だ。自分で直接メーカーサービスに連絡をするか、何かを経由してメーカーサービスを呼ぶことになるかの違いでしかない。
仲介業者は「紹介料/中間マージン」を取ることがある
ユーザーが1番最初に「給湯器が故障して困っている」という連絡をする業者を「業者A」としよう。この業者Aがメーカーサービスの場合はこの限りではないが、それ以外だと基本的には以下のようになる。
- ユーザー→業者A→メーカーサービス
この時、業者Aは「依頼された内容をそっくりそのままメーカーサービスに振り直す」ということをしているだけなのだが、高確率で「紹介料、中間マージン」を取られていると思った方がいい。ちなみに給湯器メーカーとメーカーサービスは厳密に言うと違う会社で、給湯器メーカーに連絡をしたとしても「ユーザー→給湯器メーカー→メーカーサービス」という図式は成り立つ。
しかしこの場合は、メーカーサービスが修理をするという行為自体が契約上「修理の〇〇%の料金をメーカーに支払う」という契約になっており、その金を支払うのはユーザーではなくメーカーサービスだ。だから、ユーザー側の金銭的な負担は実質上ないと言っていい。(ローソンやセブンイレブンなどのコンビニが、大元に一定の金を納めているのと近いな)。
なぜ中間マージンを取るのか
少しでも金が欲しいからだろう。…というのは冗談で、まぁ大半の業者は「ユーザーから直接連絡を貰った以上は、メーカーサービスに丸投げするのもバツが悪い」ということで、少しくらいは現場に顔を出すということをしているのではないかと思う。
これで「出張料、点検料」を請求するための理由が出来上がる。ちなみに業者によって「自分たちも修理はできるが、部品がないからメーカーを呼ぶ」というようなスタンスを取る業者もいるし、「うちじゃ修理できないからメーカーを呼ぶ」とぶっちゃけるケースもある。
前者の場合だと、そんなことを言われたユーザーは「メーカーの人は常に部品を持っている」と思いがちだが、実際には「その業者が修理をできない理由に使われただけ」なので、その後で来るメーカーも「部品を注文しなければならない」と言いだして、トラブルになるという話をよく聞くぞ。
話はそれたが基本的に「メーカーサービスに連絡する」という作業をユーザーの代わりに代行してやったということで、その業者の時間が奪われたり手間が発生しているわけだから、額にもよるが紹介料や中間マージンを取られてしまうことも仕方がないと思う。
紹介料や中間マージンはどのくらい取っているか
これは業者によっても違うだろうが、基本的には「本来かかった修理費用の〇〇%」という額面になることが多い。
今まで聞いた中で1番驚いたのは、某ハウスメーカーの一律25%だ。これはメーカーサービスが4万円の修理をすると、ユーザーには5万円で請求があがるということになる。確かに取り次ぎという手間は発生しているが、受けた電話を丸投げするだけで1万円もの利益が発生するなんてボロイ商売だな。…と、思ったりもする。
大半の業者は、実際に現場を見に行った手間賃という感じで上乗せする感じだと思うから、せいぜい出張点検料というカタチで数千円じゃないかと思うが、こればかりは業者によるから明確な事は言えない。ただ、他業者の手を煩わせている以上、そこに何らかの形で費用が発生していることは覚悟しておくべきだ。
ハウスメーカーは高い、遅いの法則
ハウスメーカーは「土日の来客や仕事が多いから、平日を休みにしている」ということが非常に多い。実際に修理をするのはメーカーサービスだから、一見するとハウスメーカーが営業しているかどうかは関係ないように見えるかもしれないが大アリだ。
例えば読者が給湯器を修理する時、「この修理をすれば修理金額はいくらになるのか」を聞かずに修理するという人はいないだろう。しかし、修理をする人間も「実際に発生する費用は分かっていても、それを仲介業者がいくらでユーザーに請求するのかは分からない=金額を話せない」ということになる。
だからメーカーサービスは「後で見積書を出す」というカタチで、その場を凌ぐわけだな。その場で担当者に確認できる場合はいいがハウスメーカーのスタッフは普段から忙しいのか、なかなか連絡が付かないことが多い。
平日の修理だとハウスメーカーが休んでいる場合が多いから、見積もりをハウスメーカーが確認するまでにもロスが生じるし、それがユーザーに連絡がいくまでにもロスが生じる。
個人的には「家のことで困ったことは全部ハウスメーカーに管理してもらう」ということで楽をしようとしているユーザーが、楽をしている対価として中間マージンを取られているという印象だ。もしこれに納得できないなら、少しは自分で考えたり手を動かす必要があるだろう。
最後に
ちなみに弊社でも給湯器の修理依頼を受けたらメーカーサービスに丸投げしている。しかし当然現場には顔を出すし、修理料金に関しては「メーカーサービスとユーザーとで直接やり取りしてくれ」と伝えてある。
つまり弊社では紹介料や中間マージンを取っていない。まずバレないだろうが、万が一それがユーザーにバレた時に失う信用の大きさの方が怖いからだ。
全部の業者、ハウスメーカーが中間マージンを取っていると言うわけでは無いが、中間マージンを取られている場合は修理をした業者からではなく、最初に連絡をした業者から請求が上がることになるからチェックしてみるといいだろう。ぜひ、参考にしてくれ。