すずき設備社長の鈴木だ。
最近は台風や大雨の影響で、給湯器を始めとする住宅設備機器が水害に遭うことが珍しくない。人によっては「給湯器どころか家そのものの被害が深刻でそこまで気が回らない」という人もいるだろうし、もしかすると「給湯器は保証延長で何とかなる」と考えている人もいるかもしれない。
結論から言うと、台風や大雨の影響で給湯器が故障してしまった場合は、保証延長の対象にはならない。このような万が一の事態に備えておすすめしたいのは、保証延長ではなく「火災保険」だ。
というわけで今回は万が一の時に有利な火災保険の有用性について紹介していこう。
給湯器の水害に保証延長が適用されない理由
給湯器には購入時(正確には給湯器を購入してから1年ないし2年以内)に加入できる、一種の保険のような「保証延長システム」が用意されている。各メーカーによって細かなルールや料金形態は異なっているが、基本的には「普通に使用していて給湯器が壊れてしまった場合」などしか適用されない。
この「普通に使用していて」という部分が肝で、台風や大雨の影響で給湯器が故障・破損してしまうことは普通の使用環境とはみなされず、災害扱いになってしまうため注意が必要だ。
ユーザー自身の使い方が悪くて壊れた場合、施工が悪くて壊れた場合、災害の場合はすべて製品保証は適用されないから注意してくれ。
台風の影響で給湯器が故障、水没してしまうケースは少なくない
弊社は東北地方に存在するため、大型の台風が来ても直撃するということはほとんどない。しかしながら最近の災害は非常に大型のものが多く、大雨が降ることで床置きの給湯器が水没してしまうということはそこまで珍しいことでもないという印象だ。
床置きの給湯器の多くは、機器内の下の方にバーナー(火が付く部分)が搭載されていることが多く、ここが水に浸かってしまうともう給湯器として作動することは難しいだろう。
壁掛けの給湯器を利用している場合はそれなりに水害を回避できる可能性は高くなるだろうが、床置きの給湯器を使用している場合は万が一のケースに備えておくことをおすすめしたい。
火災保険なら台風や洪水などの災害にも対応
給湯器の保証延長では対応しきれない災害の問題は、火災保険が解決してくれるだろう。火災保険の内容によっても色々あるため一概には言えないが、火災保険には大きく分けて「建物のみ/家財のみ/建物+家財」という3つの区分がある。
この時、家財を守る火災保険に加入していれば、台風の影響や水害による給湯器の故障なども保険の範疇である可能性があり、壊れてしまった給湯器に対して保険が適用できるかもしれないぞ。
ただしこの火災保険は「家を建てた時に加入したのはいいものの、使う機会もそんなにないし中身もよく分かっていない」というユーザーが多くて勿体ない。料金的にも高い料金を支払い続けているというユーザーが多いため、気になるようであれば料金の見直しや内容の確認のために火災保険を見直すということも有効だ。
ちなみに弊社でも数年前に台風や大雨の影響で倉庫が水浸しになるという被害を受けたが、この時は火災保険のおかげで何とかなった。落雷被害なんかも火災保険が保証してくれるケースもあるため、確認しておいて絶対に損はないぞ。
最後に
万が一のための保証延長、火災保険ではあるが、加入している人に限って被害に遭わず、加入していない人に限って被害に見舞われるという話をよく聞く。
災害は見舞われないのが1番だ。そこに科学的な根拠は一切無いが、加入しておいてその保険を使わずに済むのであれば、それに越したことはないだろう。
いずれにしても弊社では火災保険に加入していたおかげで、甚大な被害を受けずに済んだ。ユーザーの中にも火災保険を見直しておくことで、万が一の時に助かるという人もいるはずだぞ。ぜひ、参考にしてくれ。