給湯器の空焚き、バランス釜の空焚きについての解説

空焚きしたらどうなる? 給湯器の空焚き、バランス釜の空焚きの解説

すずき設備社長の鈴木だ。

給湯器の使用の仕方を考えるうえで「空焚き」に対して注意を払っているユーザーは少なくない。空焚きとは「中身を入れずに過熱してしまうこと」を指し、給湯器で言えば「浴槽に水を入れずに追い炊きをする」という行為を指す。

結論から言うと、給湯器においては空焚きを心配しなければいけない場面はあまりない。しかし、浴槽に設置するバランス釜・風呂釜タイプはユーザーが空焚きしないように注意が必要という感じだ。

そこで今回は、給湯器やバランス釜で空焚きをするということがどういうことなのか、空焚きしてしまった場合の被害内容に関して説明していこうと思う。

給湯器の空焚きに関する注意事項

給湯器の空焚きってなに?

給湯器における空焚きとは、主に追い炊き機能付きの給湯器において「浴槽に水を入れていない状態で追い炊きをしてしまうこと」を指す。

本来であれば熱交換器にふろ水が入り、その熱交換器にバーナーで火を当ててお湯を温めるのだが、水の入っていない熱交換器を加熱してしまうと異常に熱くなってしまうため、故障の原因に繋がってしまうのだ。

イメージとしては「水の入っていないやかんを加熱するイメージ」だ。水は温まりにくいからマイルドに温まっていくのに対し、やかんは金属だから水が入っていないと急激に熱くなってしまうのが想像できるだろう。

給湯器でこれをやってしまうと、給湯器内部の部品も過熱されてしまい事故に繋がる可能性がある(もちろん安全装置が搭載されているから火事の心配はないが…)。

現在、給湯器の空焚きはほとんどない

ちなみに最近の給湯器において空焚きの心配はほとんどない。その理由として「湯はり機能が搭載されている機種が増えてきた」「ふろポンプ周りの装置が進化している」などの事項が挙げられる。今やガス給湯器のほとんどは自動湯張り機能を有しているが、空の浴槽に対して追い炊きを行うと湯張り動作を行うようになっている。

これは「給湯器には現在浴槽に水が入っているかどうかを検知する能力がある」ということなのだが、お湯が入っていないことが分かればバーナーの火をつける前に湯張りをするような仕組みになっている。だから給湯器において空焚きは極めて起きにくくなった。

ちなみに給湯側は「水道管を繋いでない状態、あるいは入水バルブを閉じた状態で給湯器を動作させる」という行為が空焚きに繋がる行為となるが、給湯については「そもそも入水が検知できないと点火動作には入らない」という特徴があるため、こちらも気にする必要はないだろう。

鈴木社長
鈴木社長

給湯器の場合は空焚き安全装置を作動させることの方が難しいかもしれない。

空焚き安全装置の役割

これまでに「給湯器で空焚きは起きにくくなった」と説明したが、現行機種にも空焚き安全装置は存在している。その理由は「空焚きじゃなくても熱交換器などの部品が異常に加熱されてしまう状況は想定される」というものが挙げられる。

給湯器の熱交換器は非常に入り組んだ構造になっており、内部で詰まりを起こしてしまうケースがある。もし完全に詰まっている熱交換器を熱すると、中に水が入っていようがいまいが関係なく、過剰に熱を持ってしまうのだ。

これを防ぐには熱交換器の内部が詰まらないようにすることが重要なのだが、定期的にメンテナンスをするように言っても周知されないだろうから、自浄機能が搭載できない以上は「何かあったときは運転を停止する安全装置が必要」となり、空焚き安全装置は今でも使用されている。

鈴木社長
鈴木社長

空焚き安全装置のエラーはE200だが、給湯器で空焚きしてしまって発生することはほとんどなく、熱交換器に燃えカス成分が詰まって過剰に熱を持ち、それが原因で作動することが多い。

バランス釜、風呂釜は空焚きの注意が必要

バランス釜は浴槽に水を入れた状態で使用しなければならない

一方で上記画像にあるようなバランス釜・風呂釜と呼ばれる機種を使用しているユーザーについては、空焚きをしないような注意が必要だ。

理由としては「給湯器に搭載されているような追い炊きポンプが搭載されておらず、浴槽内に水が入っているかどうかの検知ができない」という部分が大きい。さらにバランス釜は「入水を接続していなくても点火できる」ため、シャワーの場合においても空焚きのリスクが出てくるだろう。

しかし給水を毎回止めて使用しているユーザーは少ないため、最も多いのは「浴槽に蓋をしていて、中に水が入っていると勘違いして空焚きをしてしまう」というケースだ。これには注意しなければならない。

鈴木社長
鈴木社長

種火を付けたまま放置してしまったとしても、ちゃんとバランス釜や浴槽の中に水が入っていれば空焚き安全装置が作動するということはないはずだ。

もし空焚きしてしまったら?

ちなみにバランス釜で空焚き安全装置を作動させてしまうと、メーカーサービスによる修理が必要となり、修理をするまではバランス釜を使用できなくなってしまうから注意してくれ。

もしバランス釜を空焚きしてしまった場合、基本的には空焚き安全装置と過熱防止装置の2点を交換する必要がある。部品自体は決して高くないから、出張料と作業料を含めても2万円以下で済むだろうが部品交換が終わるまでは一切お湯が使用できなくなるので注意しよう。

暖房ボイラーの場合も注意が必要

暖房ボイラーは不凍液が不足しないように注意

給湯機能を有する暖房機(いわゆる給湯暖房機と呼ばれる機種)はそこまで気にしなくてもいいが、給水配管を接続していない暖房ボイラーの場合も注意が必要だ。

暖房ボイラーの場合は不凍液を加熱して家の中をグルグル回すことで熱を発生させているが、この暖房水が一定以下になってしまうと空焚き防止装置がエラーを出す可能性もある。暖房ボイラーには不凍液の量をある程度測定する機能が設けられているため、不凍液不足のエラーが先か、それとも空焚き防止装置のエラーが先かという感じだな。

不凍液不足のエラーはE043等であるが、場合によってはリモコンの電源入り切りで復帰してしまうケースもあるため、騙し騙し使用しているうちに空焚き防止装置がエラーを出して使用できなくなってしまうケースも想定される。

そのため何かエラーが確認されるという場合は、一度専門家に相談してみることをおすすめしたい。

不凍液が劣化していて空焚きに近い状況になることも

不凍液はもともと水と比べると粘土がある液体であるが、経年劣化によってドロドロしてくることがある。こうなると一部に固着したりすることで、そこが異常に加熱してしまうことも考えられる。

そうなると空焚きではないにしても機器内の一部が熱くなってしまい、空焚きと似たような状況になってしまうケースがあるから注意が必要だ。不凍液はメーカーが言うには3年に一度の交換を推奨しているくらいの物だから、せめて5年に一度は交換するのが望ましい。

暖房ボイラーの不凍液を交換しなければならない理由

最後に

おじいちゃん、おばあちゃんの世帯では、未だに過剰なまでに空焚きを心配しているユーザーも少なくないが、昨今の一般的な給湯器に関しては空焚きの心配はほとんどない。

しかしバランス釜などにおいて空焚き安全装置のエラーを出してしまうと、それだけで修理が必要となり、2万円以下だとは思うが修理費用も発生してしまう。空焚きとは「水が入っていないのに火をつけること」で発生してしまうから、ちゃんと確認すればOKだ。ぜひ、参考にしてくれ。

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