すずき設備社長の鈴木だ。
よく「シャワーのお湯がぬるくて困っている」という相談をユーザーから受けることがあるが、それは給湯器の故障とは限らない。冷静になって考えてもらえれば分かると思うが「シャワーはぬるいけど台所は正常」なのであれば、給湯器の故障だとは考えにくいだろう。
このような場合、何も考えずに修理業者を手配してしまうと「手配した業者の管轄外」ということになり、最初の業者から出張診断料を請求されて、更にその後で正しい修理業者を手配しなければならない可能性が出てくる。
以下では「シャワーのお湯がぬるいと感じた時にチェックしたいシャワー水栓のサーモスタット」について解説するので、ぜひ参考にしてほしい。
給湯器の設定温度が〇〇℃設定なのにシャワーがぬるい
1℃~2℃程度なら誤差の範囲内
「シャワーの温度がぬるい、ぬるくない」というのは非常に厄介で、神経質な人によっては1℃程度でもハッキリとぬるいと感じるだろうが、鈍感な人だと気付かなかったりもするから家族内でも意見が分かれることが珍しくない。ただし冬場のシャワーを想像してもらったら分かるように、全身で浴びる40℃と41℃では大きく変わってくるだろう。
ハッキリ言ってプラスマイナス1℃くらいは誤差の範疇だ。給湯器は本体の出湯部分で温度を計っているため、給湯器を出てから配管を伝わって蛇口に出るまでの温度は計算しない。つまり給湯器を出てからの距離が長ければ長いほど、多少の熱量ロスは考えられるということになる。
アツアツのコーヒーを入れて、すぐの距離にあるテーブルに持っていくのと50m先のテーブルに持っていくのとでは、温度が変わってもおかしくないという考え方だ。
設定温度に対してどの程度ぬるいのかが重要
ぬるいと言ってもプラスマイナス1℃くらいなら誤差だと書いたが、明らかにぬるいという場合も考えられる。例えば「45℃くらいにしているのに35℃くらいしかない」という場合は、明らかに何かがおかしいと言えるだろう。
この誤差は配管距離にも大きく影響する部分があるが、ごく一般的な家庭の場合は誤差が生じてもせいぜい2℃まで(それも冬場)だと思う。これよりも蛇口から出るお湯の温度がぬるい場合は、どこかに異常が生じている可能性が高い。では、どこに異常が生じている可能性が高いのか。以下で詳しく説明していく。
シャワーのお湯がぬるい場合に疑うべき故障内容
給湯器の温調サーモスタット部分
まずユーザーが真っ先に疑うのは給湯器・家庭用ボイラーの温度調整不具合だろう。シャワーのお湯がぬるいと感じたら、真っ先に給湯器メーカーのコンタクトセンターに電話するという人も多いんじゃないかと思うが、とりあえず一旦待ってみて欲しい。
確かに給湯器の温度調整に故障が生じている場合はエラーを出さないことも多い。なぜなら給湯器自身は正しい温度を出していると錯覚しているような状態が多いからだ。しかし実際には給湯器の温調部品は壊れにくく出来ている。一昔前の部品は非常に故障が多かったが、ここ10年くらいの間に劇的に改良されたと言ってもいい。
であるから、まずは「シャワー以外の部分でも同じように温度がぬるいかどうか」を確認してみてくれ。台所でも洗面所でもいい。本当に給湯器が悪いのであれば、洗面所だろうが台所だろうがお湯が出せる場所ではすべて似たような不具合になるだろうからな。
洗濯用水栓からの逆流
意外と多いのは「洗濯用水栓からの水逆流」だ。洗濯をする場合は、真水よりもぬるま湯の方が汚れを落としやすい。そのため給湯器に注水する際に、水とお湯を混ぜて使っているというケースがある。
この時、1回1回蛇口を閉めている場合なら問題ないのだが、多くの場合で「蛇口は開けっ放しにしていて、洗濯機側で蛇口の開け閉めを制御している」というパターンを見る。これをやってしまうと、ある一定の条件が揃った時に「お湯の配管側に水が逆流してしまう」という症状が起こる。これは上手くない。
これが起きてしまうと、結果的に本来のお湯に水が混ざった状態になって蛇口から出てきてしまうため、本来のお湯よりもぬるくなってしまう。心当たりのある人、いや、心当たりが無い人についても「シャワーのお湯がぬるい」と思ったら、まずは洗濯用水栓を閉じてどうなるかを試してみてほしい。
シャワーのサーモスタット故障
「シャワーのお湯がぬるい」という症状で最も多い故障はこれだ。シャワーにもハンドルが付いていて、そこで温度を調整できる商品が主流となった今、ユーザーはその部分の故障を何故か疑わない。
結果、給湯器の故障だと判断してメーカーの人間を呼ぶが、給湯器ではなくシャワーのサーモスタットの故障と診断され、高い出張診断料を取られてしまう。これではあまりにもバカバカしい。
このような状況の場合は「シャワーはぬるいが台所だとそんなにぬるくない」という症状になることが多い。調べ方としては「シャワーの水側を完全に閉じてみる」というのが有効だ。シャワーの水を完全に閉じてみた状態で、蛇口から出るお湯がそれでもぬるければ給湯器からのお湯がぬるいということになるため、ここで初めて給湯器の修理依頼をするといい。
シャワーの水側を閉じるには止水弁を閉じてやればいいのだが、多くの場合でマイナスドライバーなどの工具を要する。古い水栓なら固着していて簡単には閉めれないこともあるし、無理やりやると破損させてしまうこともあるので、自分でやる場合は注意してやってみて欲しい。
シャワーのサーモスタットが故障していた場合
シャワー水栓も使用年数によっては劣化しているだろうから、もし温度調整がうまくいかないなら交換をおすすめする。水栓の種類にもよるがシャワー水洗はそんなに高くないし、サーモ部分の交換をするよりも丸ごと交換した方がいいだろう。
多少DIYに知見のある人なら自分でもできるだろうが、それができないなら近所の水道屋に依頼するといい。知り合いの水道屋がいないのであれば、見積もりが無料でキャンセルも無料の「水110番」をおすすめする。
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こういうサービスは対応していないエリアがあったりもするが、水110番は全国どこでも対応可能だから安心していい。見積もりも無料で、キャンセルも無料だから気兼ねなく利用できるぞ。
最後に
シャワーのお湯がぬるい場合は、意外と給湯器以外に原因があることが多い。シャワーは全身で浴びるから温度の誤差に敏感だが、台所ではなかなか気付かないこともある。
「言われてみれば台所もぬるいな…」という場合は、どこかの水栓から水が逆流しているという可能性が高いだろう。その場合は給湯器メーカーに依頼するよりも水栓のメーカーに依頼した方が話が早い。ぜひ、参考にしてくれ。