すずき設備社長の鈴木だ。
一般的に給湯器と言われれば、ふろ機能を有していることが多く、今や地域によっては暖房機能を有するものがメインになりつつある。
一方で、追い炊き機能や暖房機能が不要なのであれば、給湯機能のみの給湯器でも十分にやりくりできるし、キッチンのみで使用できればいいというのであれば、給湯専用機だけじゃなく瞬間湯沸かし器などの選択肢も出てくる。
そこで今回は、「キッチンのみで使える給湯器なら安く手に入る」というテーマで進めていきたい。
キッチンのみで使える給湯器とは?
上記はノーリツのガス給湯器カタログを一部抜粋したものであるが、給湯専用機は定価でも16万円ほどであり、安い施工店を探せば10万円以下で手に入るだろう。
ちなみに弊社の担当地域では、この手の給湯器がアパートなどの集合住宅でも普通に使用されていて、シャワー+洗面所+キッチンでお湯を使うという用途で重宝されている。
追い炊きは出来ないが、浴槽にお湯を貯めればお風呂にも入れるのが給湯専用機だ。
一方でこちらは瞬間湯沸かし器と呼ばれるもので、キッチンに取りつけてキッチンでのみお湯を使えるようにする機械だ。給湯器と比べると燃焼能力が低く、値段も給湯専用機の1/4以下でリーズナブルである。
「キッチンで最低限お湯を使えればいい」というニーズを満たしてくれるが、排気筒を設置することができないため、使用中の換気が必要になる。
換気をしないまま動作させてしまうと安全装置が働き、ユーザーの方でロック解除できなくなってしまうので注意してほしい(メーカーサービスを呼んで、有償で解除してもらうことになる)。
キッチン専用給湯器のデメリット
給湯器専用機のデメリット
- お風呂の追い炊きができない
給湯専用機には、ほぼデメリットはない。「シャワーのみでOK」という人であれば、これで充分だろう。
まして「シャワーも要らない、キッチンでお湯が使えればいい」という人なら、瞬間湯沸かし器で十分だ。
瞬間湯沸かし器のデメリット
- キッチン以外では使用できない
- 使用中は換気が必要
- 故障した際に修理か買い替えかの判断が難しい
瞬間湯沸かし器は安価で手に入るし、設置も水道とガスを繋ぐだけだ。使い方も簡単なのだが、換気が必要だという点は注意してもらいたい。
毎月、必ずと言っていいほど「換気しないで使用してしまって、安全装置が働いてしまった」という依頼を受ける。これを解除するのに5000円くらい取られるのはバカバカしいだろう。
あとは2年使って故障してしまい、修理するのに15000円かかると言われたら、買い替えた方がいいような気がしないでもない。
本体が安い分、そこまで深刻な故障でなくとも修理という選択肢が取りにくいのもデメリットと言えるのではないだろうか。
業務用のキッチン専用給湯器は話が別
「キッチンのみでお湯が使えればいい」と言う人の中には、業務用としての使用を考えている人もいるのではないかと思う。
例えばラーメン屋、定食屋などのキッチンで使用するという場合は、一般家庭用の給湯器よりも燃焼能力が必要になってくるだろう。
そしてキッチン用とはまた違うが、美容室なんかも風呂機能はいらないだろうが、家庭用の給湯専用機を選ぶことはおすすめしない。
実は業務用給湯器というものも存在する。もし一般家庭用給湯器を業務に使用した場合、製品保証が適用されないのだ。
ちゃんとしたメーカー保証を受けたいのであれば、業務に使用するなら業務用の給湯器を選択してほしい。
最後に
キッチンのみで使用できればいいというのであれば、瞬間湯沸かし器の選択は賢いと思う。ただし安全装置を誤作動させないように注意が必要だ。
「キッチンのみ=給湯のみ」という意味であれば、給湯専用機もコスパがいいぞ。ぜひ、参考にしてくれ。